5月21日 歩行距離31.3㎞ VILLADANGOS~ASTORGA
この日の朝は特別でした。
約束通り5時半に起き、アナと一緒に風船を必死に膨らませました。
そして風船に次々とメッセージを書き込んでいったのです。
6時を待っておもむろに上段で寝ているロサを叩き起こしました!
「お誕生日おめでとう!!!!!」
びっくりして起き上がったロサにアナが小さなプレゼントの包みを無造作に渡すと
彼女は眠気眼のまま喜んでアナをハグしました。
それからロサの二つに分けてくくった髪に風船を括り付け
リュックにも付けました!この場面に立ち会えたことがすごく嬉しかったです。
ということで1日中この姿で・・
風船に「お誕生日おめでとう」とスペイン語と英語で書いてあるので
道行く巡礼者皆がロサを祝福していきました。
なんて素晴らしいアイデアなんでしょう!!
暫くしたら遠くからモニとジュゼが追い付いてきました。
モニも手にあったのは野花で作ったブーケでした。
二人で朝から一所懸命に摘んだそうです。
こんなお誕生日は二度とない、忘れられないお誕生日だな、と思いました。
それから5人で雑談しながら伝説が残るオルビゴ橋を通過。
(ある女性の為に決闘し続けた勇者の伝説だそうです)
橋を渡ると久しぶりに平坦な道から小高い丘、
森に入っていきました。
次の目的地、アストルガの街は丘の上から見ると近いですが、
見えてからが遠かったです!
川を渡り鉄道陸橋を超えるとようやくアストルガの街。
アルベルゲ前の急な坂道が最後にきつかった(( ;∀;)
http://www.caminodesantiagoastorga.com/index.php?modulo=2
公営宿 Siervas de Maria
5ユーロでこの設備は有難いです。昼過ぎに到着しましたが長蛇の列でした。
(160人ほど収容できるのにあっと言う間に満室。早めに到着しましょう)
受付には日本人男性がいて、この方にスタンプを押してもらいました。
巡礼の合間に数か月ここでボランティアでお手伝いしているそうです。
スペイン語がお上手でした。
窓から田舎の景色が見えて風通しの良い、快適な宿です。
いくつかの部屋に分かれていて、一部屋に木の二段ベッドが4~5台でした。
自炊できるキッチンや洗濯場もあるようです。
シャワーを終えた後、5人でランチを食べ、
ガウディが設計したという司教館と大聖堂を見学しました。
どちらも見ごたえのある建築物です。(地下にはローマ時代の遺跡も!)
時間をかけてゆっくり見学したくなりますよ。
街には雑貨店、飲食店等お店が沢山あります。
まずはアナが薬局に立ち寄り
それからご当地名産チョコレートの店や巡礼者用土産物屋へ行きました。
充実していました。
チョコレート博物館があるくらいここのチョコレートは有名だそうです。
ATMやスーパーなど揃っていて観光で回るのにちょうどよい大きさの
風情のある町でした。(1泊なんてもったいない!!)
夕食はロサの誕生日パーティーとなりました。
スペイン豚肉もつ煮込み料理の「コルティージャ」と甘いお菓子など。
かなり脂っこいです・・
コルティージャはいまいちだったので
私はもっぱら甘い地元手作りケーキをパクパク食べていました。
5月22日 歩行距離23.2㎞ ASTORGA~RABANAL del CAMINO
アストルガを通過するといよいよ最後の三分の一、険しい山道へ入っていきます。
このあたりはまだよかったです。
曇りながらも途中虹の綺麗なアーチが見えて余裕がありました。
しかーし、
1度目の休憩をサンタ・カタリーニャで終えそろそろ出発、という時に
雨が降ってきました。雨具をつけて歩き始めたのですが……
このあたりの大地、野中の1本道で、何も遮るところがないのです!!
そこへものすごい強風が吹き荒れました!台風並みの風で飛ばされそうになります。
一瞬だけならいいのですがそれが延々と続きました。
前方を見るのも困難で、鼻水までタラタラでてきます。( ;∀;)
しかしそれをぬぐってる余裕がないくらい風が強かったです。
後にも先にも長時間風で苦労したのはこの一日だけでした。
2回目のガンソという村で一息ついた時、年配の巡礼者が倒れたようで
救急車で運ばれて行きました。
昔は巡礼中によく亡くなった、というのがわかりました。
(実際巡礼路脇にお墓がいくつか建っていて日本人のものもありました)
強風が続く中、その次は岩だらけの山道でした。
目的地のラバナルの村に着いたころはヘトヘトでした。
カミーノに来て初めて歩くのが「つらい」と感じた1日でした・・
私営宿 N.S.del Pilar
山小屋風?の建物で中に一歩はいると
花がいっぱい植えられていて雰囲気がいい宿です。バーもあります。
バーでは軽食が注文できます。食堂の隅にコンロが一つあるだけなので
自炊はしにくいかもしれません。暖炉のある食堂は居心地よしでした。
ベッドは木製なのでガタガタいわないのがいいです。
シャワー室も清潔でした。洗濯は別料金で宿の人がしてくれます。
中庭に皆干していました。
奥に昔の農家の道具などがそのまま残っている部屋があり。
ハイシーズンで満杯になるとここも開放するのかな、と思いました。
夕方近くの教会でミサがあるというので行ってみました。
韓国人の牧師さんがいてびっくり!
教会近くに何件かオシャレなカフェもありました。
アナロサはカフェでのんびりすると言いましたが、
私は一日強風にさらされ疲れ果てていたので
雑貨屋に寄って日用品を補充し、食堂で軽食をとって休みました。
このあたりは標高が高いので5月でも雨が降るとかなり冷え込んで寒かったです。
食堂の暖炉前を占領してモニと南米のマテチャを飲みながら
(ジェスチャー)おしゃべりに花を咲かせました。