台湾だけでなく中華圏の人々に厚く信仰されている女神に媽祖さまがおられます。
今回の旅では台湾全土に数多くある媽祖廟を巡ることにしました。
その第1番目の廟として台南の大天后宮を訪れたのでその様子をレポートします。
女神 媽祖とは
媽祖とは10世紀頃、福建省の島で漁民だった名士:林 家の娘として生まれた
林 黙娘さんが神格化した名前です。(道教、民間信仰の神)
媽祖の他にも別名:天后、天上聖母、娘媽、天妃等があります。
彼女は幼い時から霊能力があり、様々なことを予言したり
巫女さん的なことをしたり、漁民を遭難から助けていたことなどから
地元では信仰の対象となっていたそうです。
28歳の時、父親が海で遭難し、海に助けに入って帰らぬ人となった伝説の女性。
彼女は亡くなった跡も遭難した(異民族の)船を助けた等の功績から
朝廷から高位(天后)を与えられ、航海の女神としてだけでなく
今では何でも願いを叶えてくれる女神として
中華圏でとても信仰されている神様です。
媽祖にはお付きの神様が二人いてその特徴は
千里眼:緑の顔に1本角、先を見通してあらゆる災害から媽祖様を守る
順風耳:赤い顔に角2本、悪の兆候や悪だくみを聞き分け、いち早く媽祖様に知らせる役目
です。誕生日は旧暦3月23日とされ、その日は全土で盛大に祭りが催されます。
大天后宮の媽祖様は華やかで圧倒的な存在感あり!
かつて台南は中国大陸から渡ってくる人が一番最初に降り立つ街でした。
鄭成功もしかり。
ですから大陸から媽祖様と一緒に渡ってきた人達が
入植地台南に早くからお祀りしていたので歴史ある廟が沢山あります。
又、媽祖像は小ぶりなものから大きいものまで、
お顔の形・色も廟によって異なります。
そんな中、ここの媽祖様は他所ではみないほど「大きく」、
しかも「金色」に輝いておられました!!
圧倒的な存在感!決して怖い感じではありません。
頼れる感じ、そんな媽祖様です。
多くの廟で媽祖様の近くによることができなかったりガラスの仕切りで
境界があったりしますが、ここはお傍まで行っても大丈夫!
願いをしっかり聞いてもらえそうです。
お線香と金紙(あの世のお金)のセットは100元
案内図に従って境内全ての神様にお線香をあげます。
地元の人が沢山いて熱心にお祈りされてました。
御神籤もおいてあり、ポアポエでOKが出たらひくことができます。
しかし文章を解読するのは難しいので
サービスカウンター(服務台)で専門職の人に尋ねましょう。
*この後もいろんな媽祖廟を巡りましたが、
ここの媽祖様は印象に残るベスト3に入る媽祖様です!
境内には他の神々も!
斗母元君
この廟には斗母元君という道教の女神様も祀られています。(仏教では摩利支天)
衆生の運命を左右し、寿命を司ると言われ、
又北極星や北斗七星を生んだとされています。
そんな女神様の前には厄払い祈願の灯明がいくつも奉納されていました。
月と日を掲げた女神様、陰陽統合、
なんだか女性性がUpしそうなパワーを感じます。
月下老人
日本の女性に大人気の神様、「縁結びの神:月下老人」(左)も
こちらにおられます。
土地の鎮守神「福徳正神」(右)と一緒でした。
御神籤のひき方も書いてあったのでこちら↓
お線香をお供えした後、ポアポエと言う三日月型の木片一組を使います。
1)心の中で二人の氏名:生年月日:住所を言います。
2)それから結婚に至る確率や今現在抱えている感情的問題等について
お伺いをたてます。
3)新しくお線香をあげ、その煙に木片をくぐらせます。
4)そして木片を投げて御神籤を引いていいかどうか尋ねます。
「裏と表」の組み合わせが出ればひいてOK!
5)引き続き木片を連続して3回投げ、その組み合わせを覚えておきます。
聖杯(表と裏)、陰杯(2つとも出っ張った面)、陽杯(2つとも平らな面)
3回でどれが出たかによって(一覧表より)御神籤の番号がわかるので
引き出しからその番号を取り出します。
台湾の御神籤も古い文体で書かれているので台湾人でもなかなか解読できません。
多くの人は案内カウンターに解説してくれる人がいるので
そこで内容を尋ねます。(多分夕方5時まで)
日本語ができる人がいるとは思えないので
日本人にはちょっとハードルが高いかもです。
*真剣にやっている台湾人の横、
狭い空間で何回も木片を振り、時間もかかるので「本気」の人だけにおすすめします。
DIY護符
この廟にはちょっと他所では見かけない面白いものがありました。
普通護符は印刷したものが多いのですが、
ここはスタンプ式になっていて、自分で押して持って帰ることができます!!
3種類(家内安全健康祈願/縁結び/財運アップ)。
そばに小さな媽祖さまの写真とカバーが置いてあるので
その中に入れて帰るといいでしょう。
無料ですが、横に「功徳箱」が置いてあるので私はお賽銭と思って入れました。
廟の隣はお寺
真隣の建物はお寺になっていて内部で繋がっています。
そちらには観音様をはじめ仏様がいらっしゃるので
一緒に参拝されたらいでしょう。
台湾の民間信仰は道教も仏教もごちゃまぜになっています。
まとめて一緒に参拝しても大丈夫でーす!
開基靈祐宮 北極玄天上帝
観光スポット「赤崁楼」裏手に日本統治時代に創建された「明治小学校」跡地があります。
建物は戦後中学校に改築され、今は再開発のためその学校も閉鎖されています。
そんな敷地すぐ横にかつての「明治町日本人宿舎」と開基靈祐宮があります。
宿舎はそのままで残っていましたが、
立ち入り禁止、一部マットで覆われていたのでここも早かれ遅かれ解体されると思います。
さて、元あった場所から日本政府の都合で移転させられた開基靈祐宮、
参拝者はいなくてひっそりしていましたが、とてもいい空間でした。
玄天上帝にお会いしたくて行ったのですが、廟内に夕陽が差し込んで
ひとり静かで穏やかな時間を過ごせました。
威厳のある玄天上帝と
←相当古そうな巨大神様達。
お祭の時はこの中に人が入って行進するんですよ!
台南市街地は媽祖系、その他の神様の廟も含めると
数メートル歩くごとに廟に当たるのではないかというくらい
廟や旧跡が多いです。まるで京都みたいですね。
買い物や台南フードを楽しむ合間に
是非自分と相性のよい神様を探してみてくださーい。