台中からバスで約1時間半、南投県の山の中に
三日月と太陽を合わせた形を持つ
「日月潭」と呼ばれる台湾最大の湖(水面標高748m)があります。
日本統治時代の1934年ここにダムと発電所が建設されました。
それまでは原住民サオ族の住む居住地で、彼らは漁や狩をして暮らしていましたが、
今は観光業などで生計を立てている人が多い地区です。
日月潭は台湾や中国では昔から知られる有名観光地で、
湖のほとりには民宿や大型ホテルが立ち並び、飲食店&土産物屋も沢山あります。
そんな開発されている観光地ですが、
それでも湖の風景は変わることなく美しく、
何度訪れても癒される場所です。
観光拠点は3か所
湖では観光遊覧船が運行されています。
(1周300元、当日なら途中下船して再乗船可能です)
停泊する埠頭は3か所。
その3埠頭とは:
1)一番大きなツーリストインフォメーションがある「水社碼頭」、
2)玄光寺がある「玄光碼頭」、
3)サオ族が多く住み、ホテルなども多い「伊達邵碼頭」です。
ルートは水社→玄光→伊達邵の一方向のみです。
水社は日月潭観光の拠点で、
台湾各地へ行くバスターミナルがあり
飲食店、ホテル、レンタサイクル店が多いです。
玄光には三蔵法師ゆかりの寺「玄光寺」と「記念館」があり
いつも中国人団体観光客でにぎわっています。
伊達邵は九族文化村に行くロープウェイ乗り場に近く
ホテルや民宿も多い場所です。
飲食店や土産物屋は水社より充実してるかも。
この他、湖周辺を走っているローカルバスを利用すれば
「文武廟」という大きな道教の寺院に
いくこともできますし、レンタサイクルを使って湖を1周したり
遊歩道を歩いて自然を楽しむこともできますよ。
観光は日帰りはもったいない、
最低でも1泊はしたいくらいの風光明媚な観光地です。
できれば2泊。
それでも回り切れないほどいろいろ楽しめることがあります。
日本と縁の深い場所
ラルー島
先に日本時代ここにダムが建設されたと述べましたが、
その際、工事の無事を願って湖に浮かぶ島(ラルー島)に
厳島神社から勧請した神様(市杵島姫命)を祀った玉島神社が創建されました。
当時まだ島の面積は大きく、もっと遡ると島内で暮らしていた人もいたとか。
原住民サオ族の祖霊が宿る聖地として昔から大切にされていた土地です。
そんな場所に日本の神社を建てたということは・・・
サオ族の立場に立つと許せなかったでしょうね。
戦後神社は取り壊されて、御祭神は別の場所に移転されたということですが
今所在は定かではありません。(龍鳳宮という噂も)
ダムの建設で水位が増し、その上地震の被害もあって
近年ラルー島は水没の危機にあります。
玄光寺と玄奘寺(玄奘大師記念館)
もう一か所、日本と縁のある場所があります。
それは玄光寺と玄奘寺(玄奘大師記念館)。
玄奘大師とは西遊記でお馴染みの三蔵法師のことです。
般若心経を訳した中国の高僧と日月潭、何の関わりがあるのでしょうか?
そしてなぜ日本とも?
それは中国南京大虐殺の時代まで遡ります。
当時南京を攻撃していた日本軍が偶然にも三蔵法師の靈骨を発見したのです!
日本に持ち帰られた靈骨は暫く日本のお寺に安置されていたのですが、
戦後台湾のお寺から返還の要請があり、
1955年にまずは台北の善導寺に引き渡され、
その後日月潭に新しく玄奘寺が創設されたとのことで、こちらに移転されました。
仏舎利と言えばお釈迦様の靈骨、
よく見かけるのはそれを安置した塔のようなものですが
ここにも似た形のものがあり、「玄奘寺」のほうに安置されています。
中国人にとって三蔵法師はとても特別な僧侶ということもあり
埠頭近くの玄光寺と名物のゆで卵屋は
いつも中国人団体客で溢れかえっているわけです。
玄光寺自体はあまり見るところはありません。
私のおすすめは「玄奘寺」の方です。
3階には靈骨塔(厳しく撮影禁止)の他、仏教に関する資料や
2階には大きな観音像、
隣接する建物には三蔵法師の旅の軌跡に関する資料展示があって興味深いからです。
般若心経の写経もできます。
団体さんもここまでは上がってきません。だから静か^^
ですから埠頭から階段を登ってくるのはハード!
一番いいのは水社から湖畔を巡るバスで「記念館」まで行って参観、
その後階段を下って玄光寺に行くのがいいでしょう。
(玄光寺→記念館 記念館→玄光寺のバスがありますが本数が少な目なので時間に注意)
一番の絶景は日の出時刻
日月潭はいつどこから見ても素敵ですが、鑑賞するおすすめ時間帯があります。
夕刻なら伊達邵碼頭側から夕陽が見えます。但し、ホテルなどの建物が少し邪魔。
おすすめは日の出前か日が昇る時間帯で、水社側、できれば「朝霧埠頭」からが
邪魔になるものが少なくておすすめです。
桟橋まで降りて撮影したいものですが、
朝5時半ごろ行った時は柵に鍵がかけてありました。
「朝7時から」とあり、残念!と思っていたのですが
ラッキーなことに6時を過ぎたころに鍵を持っている誰かがやってきて
開けてくれたので入ることができました(*^^*)
動画
日月潭は最近日本でも紹介されることが多くなってきましたが
日本人観光客の数はまだまだ少ない方です。
意外とアクセスがよく、簡単に行けるので是非訪れてみてください。
台北から直通の長距離バスで4時間ほど、寝てる間に到着です!