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50代女一人台湾旅 お気に入りスポット 原住民・九族文化村(動画あり)

九族 show1

台湾では鄭成功がやってくる17世紀以前に住んでいた人々を原住民といいます。

原住民の種類は九州より少し大きい台湾島に政府認定で現在17種族以上

各部族ごとに異なった生活習慣や言語、衣装等があります

3年前の統計で全ての原住民を合わせると約50万人、台湾人口の2%ほどだそうです。

又、彼らの祖先は言語からオーストロネシア語族に属するとされています

インドネシアやフィリピン、太平洋の島々と関係があるとか。

ですから見かけは浅黒く、顔立ちも彫りが深いです。

そんな彼らの生活は戦後日本統治下から自由になったものの

中国から来た蒋介石率いる国民党政権下でも待遇は良くありませんでした。

漢民族優越主義というのでしょうか、

就職の際に差別を受けたりする、と私が初めて台湾に行った頃は言われていました。

しかし今日では政府も原住民を尊重して彼らの文化や習慣を守ろうとしているみたいです。

その一つの表れとして日月潭に「九族文化村」という

遊園地を兼ねた原住民文化を紹介する施設が1990年代に創設されました。

主に台湾の子供達に原住民のことを伝え、

台湾にはこんな人達もいて素晴らしいよ、

文化は違っても同じ台湾人だよ、と言うことを教えるような場所となっています。

大型行楽施設ともなっているのでアミューズメントパークが併設。

家族連れで楽しめるようになっています。

 

私が前回勤め先から連れて行ってもらった1994年頃は開村されて間もなくで、

日本語教育を受けた世代のお爺さん達が愛想良く迎え入れ

流暢な日本語で話しかけてくれました。

そんなこともあり、今はどうなっているか気になり再訪しました。

以前はなかったロープウェイに乗り山間へ・・

文化村へはロープウェイがおすすめ!

日月潭ロープウェイ 営業時間に注意 平日10:30~16:00 休日10:00~16:30

日月潭に滞在しているなら伊達邵からロープウェイがおすすめです。

なぜなら文化村は広大で、原住民地区はメインゲートから坂を登っていくか、

メインゲートから園内のバスやロープウェイを利用して上まで行き、そこからまた下る方法になるからです。

日月潭ロープウェイなら降りた場所がすぐ入り口

歩いて坂を下りていけば間もなく原住民地区だからです。

しかもロープウェイだと眺めも最高!

文化村チケット代金にロープウェイ代も含まれているので利用するほうがお得です。

九族園内図2

原住民地区は森の中の聖地のよう

私が訪れた日は梅雨で小雨交じり、

入り口を入った辺りからすぐに土砂降りの雨になりました。

平日のせいかほとんど入場者がなく、霧の籠る森の中はまるで聖地の様、

原住民達はかつてこんな環境の中でひっそり平和に暮らしていたのかな、

なんて想像してしまいました。

中でも印象に残ったのは「萬山神石」と呼ばれる巨大な石に絵が刻まれたもの。

風習の異なる部族出身の二人が夫婦になって招いた悲劇の伝説が残る石だそうです。

縦横8×9m、高さ6mの巨石

男性シンボルの石  森の中の石像

部族によって異なる家屋群

原住民地区は9部族の小地区によって構成されています。

(ルカイ、タオ、プユマ、プヌン、サオ、ツオウ、セデック、タイヤル、サイシャット)

各々家屋の作りに特徴があって興味深いです!

共通して言えることは、その技術の高さ。

粗末な小屋のようなところで暮らしていたのかな、と想像していましたが

そのようなことはなく、石を上手く利用した広々快適な家が多く、

清潔感溢れ、気候風土に合った家々でした

九族の家1 九族の家2

九族の家3 九族の家4
九族の家5

動物の頭蓋骨が並ぶ家

九族文化博物館

こちらでは原住民がどこから来てどんな種族に分類されるのかや

民族衣装、祖先から伝わる宝物などが展示紹介されていて見どころが多いです。

原住民分布図
九族博物館1

装飾柱

九族博物館3 九族博物館4九族博物館6 九族博物館5

種族によって神として信仰しているものが異なり、

蛇やフクロウであったり、男性シンボルだったりで興味深いです。

入れ墨文化も入れる位置や意味が部族によって違っていました。

原住民の女神

原住民公演も必見!

園内5か所くらいの会場で毎日各部族交代で歌や踊りのショーを行っています。

私が行った時はパイワン族のショーでした。

イベント用の(いい加減な?惰性的な?)ショーかもしれないな、と

疑っていましたが、そんなことは全くなく、

若者たちが先祖からの伝統をきちん受け継いで学び、

多くの人に紹介しようという意思が伝わってくる内容でした。

詳しい場所や時間等スケジュールはパンフレットに記載されたいます。

ただ閑散期や私が行った平日(雨季)など、天候等で突然キャンセルもあるみたなので注意が必要。

パイワン族の踊り

ひとつだけ残念だったのは、

楽しみにしていた「石音劇場」での演奏が土砂降りの雨でキャンセルとなり

見れずじまいだったこと。

大きな石の板に穴が開いていて、

そこに長さが異なる杵のような棒を突っ込んで演奏するみたいです。

聞きたかったなぁ~(-_-)

石音楽器1

九族文化村 動画

「霧社事件」のセデック族地区

霧社事件の説明岩

十数枚のパネルで事件の様子を説明

最後に、日本人として知っておいた方がいい統治時代の抗日事件のことを少し書きます。

1930年、日月潭から近い「霧社」という所で原住民による抗日暴動が起き、

当初日本人130人ほど殺害されました。

これに対し、日本軍は暴動鎮圧のためと称し、300人程の戦士に向かって

飛行機や毒ガスを使って報復、

結果的に第二霧社事件を含めると約1000人のセデック人が亡くなりました。


その詳しい様子が台湾と日本、韓国が関わって制作した映画になっています。
おススメ。(ビデオ出てます)
セデック・バレ(2011年)


独自の伝統習慣を持つ人々を皇民化しようとした日本の強引なやり方。

悲しい歴史の1ページ。

セデック族地区ではこの事件を伝えるコーナーがありました。

日本人としてしっかり見ておきたい場所です。

セデック族 モーナ・ルダオ

セデック族頭目 モーナ・ルダオ

 

 

 

モーナ・ルダオの墓

霧社にあるモーナ・ルダオの墓前の像

 

 

 

以前霧社に行ったことはありますが本当に険しい山の中。

今は商店が立ち並び、清境農場という

観光地への通過点で開けていますが、

途中の道は山の絶壁風景が美しく素晴らしい所でした。

よくもこんな所に日本軍も来たな、と

びっくりするくらいの山奥。

希望せずに派遣され、ここで命を落とした若い日本の軍人さん達も無念だったことでしょう。

どちらにとっても悲しい出来事でした。

日本人は天照(アマテラス)を大切にしますが

セデック族の人は祖先と繋がる虹の橋🌈をとても大切にしているそうです。

園内で食事

園内にはレストランや(実演販売あり)ギフトショップが沢山あります。

原住民地区に限って言えば食事できるところは3か所。

大雨の日、ギフトショップはどこも開いていましたが、

食事できた店は1軒だけ。お客さんがいないので仕方ないですね。

(梅雨の時期は連日の大雨でほとんど開店休業状態。ベストシーズンは2月、3月の桜の時期だそうです)

原住民 定食

レインコートを着ていても足元がビショビショで体が冷え切っていた中、

あたたかいごはんを食べられるところが開いているだけでも恩の字、と入ったお店。

竹筒のおこわご飯セットが美味しかったです!200元。

ご飯とお芋ばかりで炭水化物だらけですが(;’∀’)

入場料は850元と高いですが日月潭ロープウェイ、園内ロープウェイ、

アトラクション乗り物等の大がかりな施設設営や

人件費を考えると仕方がないお値段です。

原住民の貴重な収入源にもなっていますし。

アトラクションの乗り物は無料みたいなので

お好きな方は丸1日ここで遊ぶつもりで行くと充分にもとはとれると思いますよ^^


台湾は春から夏にかけてゲリラスコールが多いです!

クロックス等の靴でも一度濡れてしまうと冷房の効いた部屋に入ると

足が冷えて( ;∀;)。こういうカバーがあればいいですよ。

レインコートはコンビニで簡単に手に入りますが、

シューズカバーは売っていないので日本から持参がおすすめです!!

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九族 show1