台北から車やバスで1時間ほど、
瑞芳駅(九份への基点となる駅)から電車で1駅のところに
猴硐(ホウトン)という場所があります。
山間の小川が流れる小さな町ですが、日本統治時代には
炭鉱の町として栄えていました。
駅の東側(川沿い)、ランドマークの運炭橋を渡ると坑道跡と神社跡があり
西側に行くと近年ホットスポットになっている猫村があります。
目次
廃墟が自然と溶け込んで絵になる
台湾東北部一帯は鉱山があり、かつて鉱業で栄えた町や村が多くあります。
石炭の需要が減ったことで閉山され、多くの町が一時廃れてしまいました。
九份、十份、青桐、そしてこの猴硐もその一例です。
猴硐鉱業所は台湾最大の炭鉱でしたが、1990年に閉鎖されました。
猴硐駅は1920年(大正9年)、炭鉱からの石炭を積みだす駅として建造されたものです。
ランドマークの運炭橋は大正13年完成。その西側には選炭工場がありました。
その建物は今は瓦礫の山?となっています。
廃墟がそのまま放置なんて普通は撤去したほうがいいのでは?
と思いますが、ここは何故かその廃墟が
自然の景色にすっぽりはまって絵になっているから不思議です。
傍には当時の様子を伝える「願景館」があり、中にはカフェもあります。
橋には線路が残っていて眺めがいいです。お気に入り写真スポット!
そして突き当りは坑道。入場料をはらって中を見学することも可能です。
無事故を祈願するために建てられた? 猴硐神社
観光トロッコの入り口(猴硐坑)の左手をまっすぐ進むと
猴硐神社の入り口があります。
寂れた石段を登っていき、もうすぐかな?と思った頃に一度下って
車道に出ます。
そのアスファルトの道を少し歩くと今度こそ神社の参道で、
ここは木々が生い茂る寂しい場所でした。
と言っても怖くはないですよ。
鳥のさえずりや蝶、ユニークな毛虫がいっぱいいていい感じ。
神社に関する詳しいことは調べてもわかりませんでした。
現地案内版の文字部分も全て削りとられていましたから。
ご祭神は「天照大神」だったようです。
金瓜山では採掘の安全を祈願して黄金神社が創建されたといいますから
ここもその様な気がしますが、どうなんでしょうか。
戦後すぐに取り壊されたわけでなく、暫くはそのままだったようですが、
炭鉱の衰退とともに荒れ果てたそうです。
今残っているのは燈籠や壊れかけの鳥居のみ。
拝殿のあった場所は緑の芝生で覆われる、丸型の小山になっていました。
そこだけ木々がなく、空を見上げられる氣のいい場所。
瞑想をするのに向いているな、と思いました。(動画参照)
町復興のきっかけは猫!
衰退した炭鉱の町を救ったのは猫でした。(‘ω’)ノ
当時炭鉱者たちがねずみ避けのために沢山猫を飼っていて、
その子孫が増え、この一帯には猫が多かったのです。
そこに目をつけた人々が「猫が沢山いる町」としてアピールし、
2013年には「世界6大猫スポット」に選ばれるまでになったのです!
今では世界中から猫を求めて観光客が来ています。
20年前を比べると駅の利用者は4倍にも!すごいですね~Σ(・ω・ノ)ノ!
駅構内、トイレの扉まで猫の絵が描かれているくらい
町をあげて猫村を応援しています。
村全体の雰囲気がいいので猫好きでなくても楽しめますね。
私は犬派なので猫の傍によるのはニガテですが、ここなら猫に近づけます(苦笑)
正直、猫村側は人が多くてあまりゆっくりしたい気分にはなれませんが
運炭橋辺り、河沿いの風景は台湾田舎絶景でおすすめ。
私はそちらでぶらぶらするほうが好きです。
動画
アクセス
瑞芳からバスがありますが本数が少ないので不便。808番(区民広場前)から12駅。
電車が便利です。平渓線:青桐行で1駅5分。約1時間に1本。
タクシーUber利用で10分150元くらいです。
*駅前にはタクシーが沢山停まっています。この近辺の観光地に行くタクシーの料金は決まっていて
看板が出ているのでわかりやすいです。但し、Uberの方が割安なことも。
瑞芳火車站(瑞芳駅)
瑞芳駅は九份や金瓜石方面、十份や青桐方面に行く拠点となる駅です。
九份で宿泊予定、でもその前にちょっと猫村に立ち寄りたいというような時、
スーツケース等の荷物は邪魔になります。
でも大丈夫!
観光客が増えて駅の設備も改善され、構内にはエレベーターが設置され
以前なかった荷物預かり所も開設されています。
運賃や時刻表等はこちらから確認してくださいね。交通部台湾鉄路管理局日本語サイト
*区間車と普通電車はネットでは予約できません
板橋・台北から瑞芳火車站(瑞芳駅)へ
台湾鉄道、電車で行くことはもちろんできますが、
私は今回板橋からバスで行きました。
バスは大型バスで思ったより人は少なく、
荷物は車体の下に入れられるからゆったり座れましたし
各座席には電源もあったので、充電しながらスマホ作業ができて助かりました。
渋滞もなく快適だったのでおすすめです。
九份にも行くのでわざわざ駅で乗り換える必要がないのもいいですね。
主な乗車駅は 板橋ー台湾鉄道萬華駅ーMRT西門駅ーMRT北門駅
乗車時間は約45分位でした。
瑞芳での宿
九份には何度も行ったことがあり、
今回はパスして東北海岸や猴硐に行きたかったことから宿を瑞芳駅の近くで
探しました。
九份で宿泊したこともありますが、
あそこは坂の町、道幅が狭い階段ばかりで車が入って行ける道は限られています。
民宿が道沿いにあったとしても坂で大変なのに、
狭い階段を大きな荷物を担いで上がるのはもっと大変!
正直九份での宿泊はあまりおすすめしません。
民宿も古い設備のわりには値段が高いし・・・
瑞芳駅を基点に動きました。
一人旅向きのホステルは2軒しかなく、そのうちの一つ
に1泊しました。
祖師廟の隣です。
古い建物を改装して、若い女性が経営しているホステル。
大都市のホステルのようなシステム化されたホステルではありませんが、
スタッフさんはフレンドリーで、屋内も清潔快適でよかったです。
表玄関のドアは暗証番号で入るのでセキュリティーは問題なし。
オーナーさんが自ら話していたように、古い建物なので音がよく聞こえます。
仕方ないですね。
私が宿泊した日は空いていて、
女子4人部屋を一人で使わせてもらえてラッキーでした!
寝心地は良かったです。もし4人全員ベッドに人がいるとかなり窮屈になるかも。
荷物を広げるスペースはありません。
洗濯機があったので助かりました^^
コンビニや飲食店が近くにあって便利です。
そしてお値段は1泊540元(約2000円弱)、安いです!
連泊はしたくないですが、1泊なら納得のお値段。現金払いです。