その国の国民性、文化習慣をちょっと覗いてみようという場合、
冠婚葬祭はとても参考になります。
宗教寺院に行って結婚式に偶然出くわしたり、
土地ならではのお祭りに遭遇すると旅の忘れがたき良い思い出になります。
冠婚葬祭の中でも今日注目したいのは「葬」の部分。
お盆なので世界の一度は訪れてみたいお墓や弔いの方法について書きます。
目次
世界最大級のお墓と言えば インド・アグラ「タジ・マハール」
世界遺産にもなっている有名なタージ・マハル。
王が最愛の妻の為に作ったお墓です。
広大な敷地に墓廟とモスクが建っています。
大理石をふんだんに使った壁のタイル装飾が見事な巨大な墓廟、
中は意外とシンプルで、棺が一つ置かれているだけでした。
これまで見たイスラム教の王族等のお墓は
外は大きく豪華で、タイル装飾が素晴らしい反面、
中はとてもシンプルなものでした。偶像崇拝しないイスラム教だからでしょうか。
モスリム一般人のお墓は墓石が縦型で、
キリスト教のような四角ではなく、先端が出っ張った三角形の墓石が多く目に付きました。
世界中、有力者や歴史上人物のお墓はよく観光地になっているので
訪れる機会は結構あるかもしれません。
その国の総力をあげて建造されたお墓には貴重な技や資料が残っていて、
文化を理解するきっかけにもなりますね。
この様な大きな歴代王や有名人のお墓は観光地になっていることが多いので行きやすいです。
詳しいアクセス情報などはこちらからタージ・マハル観光前に知っておきたいこと!
回廊が美しい墓地:クロアチア・ザグレブ「ミロゴイ墓地」
クロアチアにあるこの墓地の特徴はその豪華な外壁と長い回廊。
まるで宮殿のような外壁はお墓であることを忘れてしまいそうに美しいですね。
ここに入っている人達は心安らかに眠っておられることでしょう。
高貴な人達ばかりだと思いますが・・
豪華一戸建てが多い墓地:アルゼンチン・ブエノスアイレス「レコレータ墓地」
実際に行ったことがあるのですが、1882年に開設された由緒ある墓地で、
150m平方の敷地に6400もの納骨堂や著名人の大きなお墓も沢山あります。
お墓一つ一つが住居のようになっており、その中に棺が納められています。
各お墓は大理石等、素材からこだわりがあり、デザイン、装飾も洗練され凝っています。
お墓の中には故人の写真が飾られていたり、生花も手向けられていて、とても明るい雰囲気。
墓地内には天使の像があちこちにあり、又、猫がウロウロしていてのどかな感じ。
日本のお墓とは異なった雰囲気に驚かされました。
又、元大統領夫人エヴァ・ペロン=エヴィータのお墓もあり間近で参拝することができます。
彫刻が美しい墓地:ウクライナ「リキャキフ墓地」
ヨーロッパの古いお墓は彫刻が素晴らしいですね。
まるで屋外美術館のような趣があります。
このウクライナのリキャキフ墓地もそうしたお墓が多くあるようで、
巨大でユニーク、美しい彫刻の数々にびっくりします。
入場料を取ってまで一般に開放する、その考え自体オープンで、
お墓に暗いイメージは全くありません。^^
カラフルで陽気な墓地:ルーマニア・サプンツァ村
年間3万人も訪れるというすっかり観光地になっているカラフルな墓地。
ブルーに統一された墓標がとても可愛いですね!
彩られた木製の墓標には絵が描いてあって、故人が亡くなった理由がわかるそうです。
交通事故なら車の絵が、お酒の飲みすぎなら酔っ払いの絵が、というように。
墓標も明るい、人の出入りも多いということで
きっと陽な気が流れているお墓だと思います。
その他 世界各地ユニークな「葬」式
風葬が残る村:バリ島 バリ・アガのトゥルニャン
バリ島デンパサールからキンタマーニ高原方面へ車とボートを乗り継いで約2時間。
小さな村では今も風葬の習慣があり、白骨化した遺体は観光客でも目にすることができるそうです。
自然と一体化した弔いの仕方はエコですね。
鳥葬:チベット・ラルンガルコンパ
チベットでは土地が硬く、火葬にする木材も少ないことから鳥葬が行われています。
ハゲワシに食べられることによって魂を天に届ける意味合いがあるとか。
観光客向けツアーがラサから出ているそうです。
獣葬は大地への敬意:ケニア/タンザニア マサイ族
マサイの文化では遺体を獣葬にするそうです。
理由は大地に墓を建てることは良くないとか、生命の地からを大地に還す等の意味があるとか。
最後まできれいに食べてもらうよう工夫もされるそうです。