世界各地では大自然が生み出した山や滝などに神の存在を信じて信仰することもあれば
祈りの場を設けてそこを聖地、巡礼地とすることもあります。
起源や由来はお告げがあったから創ったとか、聖人を祀るためとかいろいろありますが
ピュアな祈りのパワーは絶大で、どんな宗教に関わらずその場は年を重ねるごとにより大きな力を持った聖地になりうると思います。
中でも歴史があり世界中から信者や観光客が訪れる聖地は疑うことなくパワースポット!
今回は是非訪れてみたい有名なヨーロッパのキリスト教聖地、教会、聖堂、修道院をピックアップしてみました。
目次
セント・マイケルズ・マウント(ミカエルの山) 英国(ウェールズ)
5世紀に大天使ミカエルが降り立ったという伝説から名付けられた
「聖ミカエルの山=セント・マイケルズ・マウント」。
フランスのモン・サン・ミシェル(ミカエルの山の意味)からまっすぐ北へ線を引いた場所に位置し、同じ名前や見た目から英国版モン・サン・ミシェルとも言われています。
古代からケルトの聖地として、キリスト教の聖地としても有名です。
マウントとありますが、実際は小さな小島。
干潮時には石畳の道を歩いて渡ることができます。
11世紀にベネディクト派の修道院が建造され、島は今貴族が所有していますが、
ナショナルトラストの管理下にあって一般にも公開されています。
島内は美しい自然に恵まれ、島へ行くのに入場料はなく事前に予約する必要もありませんが
お城を見学するには城への階段前オフィスでチケットを購入します。
ここは(エネルギーライン上に古代の遺跡が創られた)レイラインにあり
別の聖地グラストンベリー、ストーンヘンジもこのライン上にあります。
伝説の巨人コーモランの心臓と言われる石
ロンドン(パディントン駅)から電車でペンザンスまで約5時間。
下車後、駅のバス停からバス2番でマラザイオンで下車。
島への道は満潮時には海水で覆われるので干満時刻を要チェック。徒歩15分。
満潮時は小舟で渡ります。https://www.stmichaelsmount.co.uk/
冬や海が時化る時はクローズされるので注意。https://www.stmichaelsmount.co.uk/plan-your-visit/opening-days-times
タラの丘と古代遺跡群 アイルランド
タラの丘はかつてアイルランド最大の都市があり大王が居住した区域で、
石器時代以来ケルト人にとっては宗教的にも政治的にも重要な場所で聖地です。
今は丘の上に復元された聖なる石=リア・ファルが残るのみですが、
この石はケルト王が即位する際に触れて誓いを建てたと言われる石で今ではパワースポットになっています。
営業は5月中旬から9月中旬のみ。http://www.heritageireland.ie/en/
又、近くにはピラミッドやストーンヘンジより古い起源を持つという古代遺跡群があります。
世界遺産にもなっているニューグレンジやノウス、ドウスと言われる遺跡です。
見どころは当時の明け方に太陽光が石室に通じる道にまっすぐに入り、部屋の床を僅かな時間だけ照らす作りや、
ケルト紋様が刻まれた巨石などです!
この場所はエジプトのピラミッドのように謎が多くて墓所だとか天文学施設だとか、いろいろ言われています。
👆ケルトの特徴である「渦巻」。
スパイラルが3つ集まった太陽のエネルギーを表すというトリスケル模様。(成長、進化、復活の意味)
これらの遺跡に行くにはボインビジターセンターからシャトルバスに乗って入り口まで行きます。
個人では見学できないのでセンターでガイドツアーに申し込みます。
https://www.newgrange.com/
タラの丘と遺跡群はとても近いです。ダブリンから車で1時間ほど。
レンタカーを利用できる人はいいですが公共交通機関は不便なので
現地ツアーを利用するほうが便利かもしれません。
2か所を一度に回ってしまうコースが多いの時間の節約になりますね。
パドヴァ サンタントニオ聖堂 イタリア
世界中から巡礼者が訪れると言う聖地パドゥバ。
街の中心に建つサンタントニオ聖堂はカトリック教徒にとって重要な聖人、聖アントニオを祀っている聖堂です。
13-14世紀に建造され半円形の天井とイスラムの尖塔が融合した独特な造りとなっています。
聖アントニオの顎と舌が飾られているとか。Σ(・ω・ノ)ノ!
中は撮影禁止となっています。
(聖アントニオとは:
1231年6月13日没の聖フランシスコの弟子のような存在で、ポルトガル人だったがアッシジのフランシスコの兄弟会に入会して各地で熱心に布教活動を行った人物。
演説が上手かったことから彼の舌は聖なる遺物?となって巡礼の目玉にもなっているそう。失せ物、結婚、縁結び、花嫁、不妊症に悩む人々、愛、老人、動物の聖人。)
パドゥバへはミラノから特急列車で約2時間、ヴェネツィアから約30分。
聖堂以外にも青のフレスコ画が見事なスクロベーニ礼拝堂(要予約)を始め、
様々な見どころあがあります。聖堂まではパドゥバ駅前からトラムに乗車。
アッシジ イタリア
アッシジは聖フランチェスコにゆかりのある街として有名です。
聖フランチェスコは元々は地元の豪商に生まれましたが、戦いに出て捕虜になったことをきっかけに神に仕え清貧の暮らしを選ぶようになりました。
父の命に背いて神の道に入り、やがてその生き様を見て彼のもとに若者が集まり、弟子が12人になったところで「小さな兄弟会」という初の修道院を開きました。
44歳の時山に籠って瞑想中にイエスから聖痕を与えられ、その後それをきっかけに衰弱死したそうです。
そんなフランチェスコを祀る荘厳なサン・フランチェスコ大聖堂で
は彼の生涯を描いた28枚の壁画やその他名画を鑑賞することができます。
ペルージャから、列車で約20分。ローマからバスで約3時間。http://www.sulga.eu/
ルルド フランス
奇跡の泉があると世界的に有名なルルドはフランス南西部とスペイン国境ピレネー山脈の麓にあります。
1858年にこの村に住む少女が友人と薪広いに行った際洞窟でマリア様と思われる女性を目撃したことから
伝説は始まります。彼女が見たマリア様は1回だけでなく、18回にも及んだとか。
9回目の出現の時にお告げによって掘ったところから泉が湧きだし、その水で病気が治癒したという人が
続いたために口コミで噂は広まり、フランス各地、今では世界中からその奇跡を求めて多くの人が訪れます。
1871年に湧き出る泉がある洞窟を囲むように大聖堂が建設されました。
今では年間500万人が訪れるカトリック最大の聖地となっています。
ルルドの治癒パワーは半年だそうです。参考 ルルドパワーの効き目
近隣に3つの空港がありヨーロッパ各地から乗り入れ可能。
パリ モンパルナス駅から電車で約5時間半(1日5便)
ファティマ ポルトガル
ファティマはポルトガル中部にある小さな村です。その小さな村で奇跡が起きました。
第1次世界大戦中の1917年、村から少し離れた場所で遊んでいた牧童3人の前にマリア様が出現したのです。
マリア様は子供達に6か月続けて毎月13日に同じ場所に来るようにいいました。
そして3度目に出現された時に3つの予言を子供達に残します。
1つは神の御心に人々が従うなら戦争は終結する、2つ目は第2次世界大戦の勃発とロシアの共産主義革命のこと、
3つ目は長らく伏せられていましたが後に1981年のローマ法王暗殺未遂事件のことだったと公表されました。
(3番目の予言にはもっと重大なことも含まれていて今も隠されているそうな。)
ルルドと同じようにマリア様が出現しているのですが、ルルドと異なる点は
ルルドの時は少女の周りに大人たちがいてもその人達にはみえませんでしたが、
ファアティマでは3回目には1000人近くの人が立ち会っていて、その時人々にマリア様は見えなかったものの
強い閃光とともに白い雲が降り立ち、再び空に登っていくのを見たそうです。
そして5回目の時にも約3万人ほどの前で(予言通り)空を移動する球体や白い花びらのようなものが空から舞い降りる等、様々な奇跡が目撃されたそうです。
1930年にはローマ教皇庁もこの奇跡を認め、教皇ピオは同地を巡礼する者は
免償(有限の罪の免除)を行うと宣言し、5月13日をファティマ聖母の記念日と定めました。
事件後、お告げに従って教会=バジリカが建設されました。https://www.fatima.pt/es
実際に訪れると教会は真新しくてヨーロッパ特有の歴史を感じさせるような重厚さはありませんでした。
教会近くには世界中から訪れる巡礼者のために多くのホテルや土産物屋が並んでいます。
(ファティマはスペインカミーノ巡礼:ポルトガル人の道の途上でもあります)
教会だけではあまり奇跡を感じられないので時間があれば近くの資料館や
郊外にある子供達がマリア様と出会ったという場所まで足を延ばすことをおすすめします。
リスボンから電車で約2時間。バスで約1時間半。https://www.virail.jp/ryoko-lisbon-fatima/
ポルトガルでは長距離バス移動が安くて便利です。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ スペイン
スペイン北西部にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラはキリスト教三大巡礼地の一つです。
中世の城壁に囲まれた旧市街にある大聖堂は1211年創立。
大聖堂にはキリスト12使徒の一人聖ヤコブの遺骸が(地下に)安置されていて、ヨーロッパだけでなく世界中から観光客や徒歩で訪れる巡礼者で賑わっています。
見どころは精巧な技術が光る大きな門=ファザードで、
門は3つにわかれていて旧約聖書の世界、天国、新約聖書の世界を表すと言われています。
毎日曜正午からの巡礼者のミサと儀式の際には空中を舞う大きな香炉(ボタフィメイロ)が焚かれるのでそれもお見逃しなく!
*2016年にフランス国境からコンポステーラまで徒歩で巡礼路を歩きました。ブログにその時の様子も書いています。興味のある方は参考になさってくださいね。
マドリード チャ・マルティン駅から電車で約7時間半 https://venta.renfe.com/
マドリード空港第4ターミナルからバスで7時間半から9時間 https://www.alsa.es/
いかがでしたか?
私は旅をしていて体調が悪い時、寒い時、夜行列車を待つ間に地元の教会にお邪魔することがあります。
手入れが行き届いた静かで清らかな空間は心身を休めてほっと一息をつくには
本当に有難い場所です。 なんと言っても安全!
さすがにミサの時間は人が多いし、異教徒の人間は遠慮しますが、
それ以外の時間はひとり旅人にとってはなくてはならない場所。
特にあまり有名でない地元のこじんまりした教会はおすすめです^^
次回は行ってみたい海外の聖地 その2-2:宗教的聖地編(ヨーロッパ以外)