リスボンから北へ85㎞の位置に「中世の箱庭」と称される可愛らしい城壁の村:オビドスがあります。
日帰り旅行でも、中部&北部へ行く途中でも気軽にフラッと立ち寄れる場所です。
私は海岸の街ナザレへ行く途中に立ち寄りました。
ポルトガルの秋は不安定で夏日のように真っ青な空が広がり汗ばむ日もあれば
ひんやり冷たい雨が降ることもあります。
訪れた日は生憎の雨でちょっと残念でした。
お日様が出ていれば青空の下、オレンジ色の煉瓦屋根の風景が写真映えしたこと間違いなしだったでしょう。
目次
古代城塞都市 オビドスとは
人口12000人ほどの小さな村は城壁に囲まれた丘の上にあります。
その歴史は古く、旧石器時代から人類が生息し、町の基礎は初期のケルト族によって建設されました。
ローマ時代には交易で繁栄したそうです。
その後イスラム系のムーア人が要塞を建設、
1148年イスラムから土地を奪還後はポルトガル王が統治しました。
1288年にはディニス1世と王妃イサベルが新婚旅行でオビドスを訪れ、
その際王妃がこの地を大変気に入ったので王がプレゼントしたそうです。
以来オビドスは代々王妃の直轄地となり「王妃の村」と呼ばれるようになりました。
16世紀まで王妃の寄付により村は繁栄したそうです。
オビドスへのアクセス
鉄道:
リスボン サンタ・アポローニャ(Lisboa Santa Apolonia)駅から
カルダス・ダ・ライーニャ(Caldas da Rainha)行きに乗車Obidosで下車
(24駅2時間20分 シントラ経由で時間がかかります)
バス:
地下鉄カンポ・グランデ駅から(Campo Grande)1日30便 土日祝10便
(約1時間なのでバスの方が便利でおすすめ)
時刻表と運賃はこちらから↓Rodoviaria社サイト
PDFはこちら http://www.rodotejo.pt/wp-content/uploads/rapida_linha_verde.pdf
地下鉄の駅を出ると目の前に大きなバスターミナルがあり近隣行きのバスが沢山発着していますが
そこへは行かず、緑の高いビルを目印として進んでください。
チケットは運転手さんから購入できたと思いますが記憶が定かでなくてすみません。
Via-Viagemカード(緑)を持っているなら利用できるので便利です。
購入の仕方はこちらを参考に!
アーチ上部に18世紀のアズレージョ ポルタ・ダ・ヴィラ門
バス停から少し坂道を歩くと城壁の門に辿り着きます。
門をくぐってまず行きたい所は1380年建造のポルタ・ダ・ヴィラ門。
アーチ上部には18世紀のアズレージョ(ポルトガル特有のタイル装飾)
が施されています。生命の門とも訳せる門には天使が沢山描かれていて
その一人ひとりの顔にも個性があり、見ていて飽きません。^^
その門の近くから城壁に登れる階段があったので登ってみました。
城壁は眺めは最高、そしてスリル満点!
オビドスの城壁は観光客でも登ることができ、1周することも可能です。
私は東側城壁を半周してオビドス城のあたりまで歩きました。
右手にはポルトガルの田舎風景が広がり、
左手にはオビドスの可愛らしいレンガ色の家並み。とても素敵!
ですが・・・この城壁は写真のようにかなり高い場所にあるのに
手すりも何もありません!!( ;∀;)
私は高所恐怖症の上にこの日は雨。
滑りそうな道を腰がひけた状態でそろりそろりと歩きました。
実際に落下事故もあったそうなので気をつけて登ってくださいね。
(観光客で賑わう日は特に注意。人一人通るのがやっとの幅なので)
雨の日でも眺めはよかったので快晴の日なら最高の眺めになると思います。
ポザーダになっているオビドス城
城壁をたどって突き当りまで行くとオビドス城にでます。
「The お城!」という城構え。今も当時を変わらぬ姿を残しているのは凄いです。
(ポルトガルでも地震はありますので)
今は隣接する建物が改装されポザーダとなっており一般の観光客も宿泊できます。
私は宿泊しませんでしたが、写真の様子から他のポザーダと比べると
14世紀の建物を利用しているという客室の内装や設備はより近代的になっていて
観光客の快適さを重視している感じがします。(その代わり歴史的なものは少ない?)
石壁むき出しの部屋やポルトガルタイルの可愛い部屋は魅力的。
一人旅よりカップルで宿泊したほうが楽しそうな雰囲気です。
1泊2万円くらいから
中世の雰囲気がそのまま 可愛いメインストリート
メインストリートは青と白のコントラストが美しいディレイタ通りです。
両側が白壁の家に石畳の細い道、そこを彩るように咲くカラフルな花や陶器が
中世の面影をそのまま映し出しているのかのように感じさせます。
ポルトガルのお酒と言えばワインが有名ですが、実はサクランボ果実酒も有名。
リスボンをはじめ街角の立ち飲み屋では一口でグイ!と飲み干すジンジャ(ジンジーニャ)も人気です。
そしてこのオビドスはジンジャ・デ・オビドスが名産なのです。
チョコのカップに入った甘いリキュール アルコール度数は高く20度。
どんなお味か試してみたい場合は1ユーロくらいで飲めるのでどうぞ~
私はアルコールよりスイーツに興味があるのでまずはカフェで一休み。
カフェ Dom Afonso
たまたま立ち寄ったカフェ。店の前でジンジャも売っていました。
ここのPastel de Nata(エッグタルト)は絶品!で、
リスボンの老舗「パスティス・デ・ベレン」のナタも美味しかったし
ポルトガル各地方で食べたナタもウマウマでしたが、
どこよりもここが一番美味しかったと記憶しています。
タルトの部分も柔らかく、全体がソフトな仕上がり。
出来立て熱々、口の中でとろけます~。(≧◇≦)
そしてもう1軒おすすめなのはポルトガル菓子、
カステラの元になったと言われる「パン・デ・ロー」。
店の名前は忘れてしまいましたが、目抜き通り沿いに昔ながらのお菓子屋さんがあります。
お土産用のお菓子も沢山あり試食してみたくなりますが、
ここの出来立て一口サイズのパン・デ・ローは一押し、半熟タイプで中がトロリ。美味しかったです❤
土産物屋、酒屋、お菓子屋、カフェ、レストラン・・美術館に市場等
世界中から観光客が訪れる村だけあってかなり楽しめます。
私はこの後ナザレに行ったので半日観光でしたが、お天気なら1泊してのんびりしてもよかったかな、
と思ったくらい素敵な場所でした!
オビドスには書店が沢山あることでも知られ、この小さな村に14店もあるとか!
本好きの人には魅力的かも。
その他村の見どころ
12世紀ロマネスク様式のこじんまりした教会です。
この教会は歴史的に有名な教会なのは、1448年まだ10歳だった(エンリケ航海王子の甥)
アルフォンソ5世が結婚式を挙げた教会だからです。
祭壇を取り囲むアズレージョが見事です。
聖母マリアをテーマにした絵画や彫刻、天井フレスコ画もお見逃しなく。
サンタマリア教会の他には
ペロウリーニョと呼ばれる村のシンボル=石柱があります。
かつて罪人を晒した柱だそうです。
オビドスのお祭り
オビドスでは毎年大きなお祭りがあってこれを目当てに訪れる人も多いです。
オビドス3大祭りについてご紹介しますね。
春:チョコレート祭
毎年4月頃に行われるイベントで、狭い通りはチョコやケーキ、お菓子等で埋め尽くされ
誰でも試食と購入ができます。スイーツ好きにはたまらないですね!
お菓子を味わうだけでなくコンテストやチョコつくり体験、歌や踊りもあって楽しそう^^
公式サイト https://festivalchocolate.cm-obidos.pt 2019年は4月25日~5月5日まででした。
夏:中世祭 7月頃
中世の恰好をした人達が当時の様子を再現します。
騎士の闘いや火の踊りなど興味深い催しがいっぱい!
冬:クリスマス
どちらかと言うと子供向け、家族連れが楽しめるイベントかもしれません。
とにかく、もしこのシーズンにポルトガルに行く予定があるなら
オビドスのお祭りにも参加してみてはいかがでしょう?!
オルビスから各地へ移動するには カルダス・ダ・ライーニャへ
オビドスは村なのでその他の都市にアクセスするには一番近い街=
カルダス・ダ・ライーニャを経由することになります。
オビドスの城壁から出て坂を少し下ったところにあるバス停からカルダス行のローカルバスに乗車します。
いかがでしたか?
オビドスは中世そのままの雰囲気を感じられる可愛い村で女子旅におすすめです。
宿泊施設も沢山あるので1泊するのもおすすめ。
ナザレに行く予定がなければ1日かけてゆっくりしたいくらいにいい感じの街でした。
リスボンから近いので是非両方とも訪れてみて下さい。