アラフィフ女ポルトガル一人旅20 南蛮貿易のこともわかる国立古美術館

物凄く興味があったわけではないのですが

地図を見ていたら気になったので立ち寄ってみたのが国立古美術館。

眺めの良い高台に位置し、美術館内部も充実。

思いのほかよかったのでレポートしたいと思います

古美術館へのアクセス

ロシオ駅近くのフィゲイラ広場から714のバスで西に8駅15分、

Rua das Janelas Verdesで下車。

そこから徒歩2分のところに国立古美術館はあります。

(Cais do Sodreからトラム15EでCais da Rocha下車でも行けますよ)

古美術館の概要

黄色い大きな建物は18世紀からある伯爵の住居を利用したもので、

かつては修道院でもありました。

1940年に設置された別館もあります。

美術館は1883年創設で、ポルトガル最大規模!

12~19世紀までのコレクション、

特に大航海時代の芸術展示品が多いです。

3階建ての建物には絵画、彫刻、金属細工、織物、家具などの収蔵品が展示されています。

  • 1階:14~19世紀ヨーロッパ美術(彫刻、陶器)
  • 2階:大航海時代に関わったアフリカ、東洋(日本含む)の美術、陶器、宝石
  • 3階:ポルトガル芸術家の作品

行くまではどんなものが展示してあるか調べもせずに行ったのですが、

2階の南蛮屏風のコーナーがとても良くて、日本との関わりや当時の様子がよく理解できて為になりました!

このコーナーを見に行くだけでも価値ありだと思います。

1階:14~19世紀ヨーロッパ美術(彫刻、陶器)

 

中世のヨーロッパ画家のことはよく知らなくて👆のようなよくあるタイプの絵を見ながら

「なるほどねー」と真剣に見ていなかったのですが、

ところどころに好きな画家の作品もあって嬉しかったです~((*’▽’)。

エル・グレコやヒエロ二ムス・ボスの絵には見入ってました。

*西洋絵画が好きな人は事前に公式サイトで作品リストと写真をチェックしておくといいかも

しれません。サイトはこちら

 

ヨーロッパ陶磁器のコレクション、タペストリーも見事でした。

ゴブラン織り 

下の写真は小学校の授業風景。

日本の小学校は団体で美術館見学に行っても鑑賞客のいる中で

こんな風に座り込んで授業まではしないのでは?

何だかいいな、と思った一場面です。(*´ω`*)

美術館での授業風景

3階:ポルトガル芸術家の作品

正直ポルトガルの画家や芸術家について全く知識がないのですが、

上の作品がポルトガルの国宝と言われる絵画だそうです。

1470年頃アフォンソ5世の遊底画家ゴンザレスが描いたであろうと言われる「サン・ヴィセンテの祭壇画」。(1883年発見)

大航海時代の有名人が勢ぞろいしているから貴重だとか。

はっきりした制作年代、製作者、製作動機が今もわからず、描かれている人物も特定できていないそうです。(特にエンリケ航海王子はいろんな説あり)

6枚の衝立には各々に名称があり、

左から修道僧、漁師、エンリケ航海王子、陸軍総司令官、騎士、聖遺物のパネルとなっています。

この絵以外にもベレンの聖体顕示台というカトリックの儀式に使用される容器が必見で、

ヴァスコ・ダ・ガマが持ち帰った最初の金で作られたと言われています。

2階:大航海時代に関わったアフリカ、日本を含む東洋の美術

1階、3階の美術品ももちろん素晴らしいのですが、

今も印象に残っているのはやはり2階です。

まずは大航海時代、オリエント世界から持ち帰った品々は興味深いです。

2階 オリエント美術 2階 オリエント美術2

幾何学文様タイル、螺鈿細工、木仏像・・・

2階 オリエント美術3 2階 オリエント美術4

イスラム圏の美術品や中国等の品がありました。

そして我日本・・

展示されているのは16末~17世紀にかけての屏風絵。(狩野派の作品)

大航海時代に使用されたキャラベル船の出港準備や

それが長崎に到着した様子を描いた作品数点が展示してあります。

保存状態も極めて良くて、日本でもこれほどまでのものがあるのかと思うくらい素晴らしいです

当時のポルトガル人、日本人、植民地から奴隷として連れてこられた黒人の使用人?等様々な階級の人の様子、服装、交易品・・

興味津々!

そして私が一番長く鑑賞していたコーナーはビデオのコーナー

平面の屏風絵の中から人が浮き出てきたような感じで、

当時の船員たちの船出から船上での生活、

日本に到着してからの様子が生き生きと具体的に映像化されていて面白かったです。

ビデオ1

ポルトガル出航前

ビデオ2

出港準備中

ビデオ3

船上での様子

ビデオ4

日本での様子

20分くらいの上映だったでしょうか、アニメーションは動きがあっていいですね!

時間があれば是非鑑賞してください。

そして屏風の他にも日本に関する展示品がありますよ。

 煙草入れ

併設カフェもおすすめ!

 

伯爵の館だっただけあって敷地内には緑豊かな庭があり、

cafeのテラスも庭にあるのでそこでランチをとりました。

テージョ川を見下ろすことができるロケーション、

天気が良く眺めも最高でした♪

とりあえず行ってみよう、との考えで訪れたのですが、

収蔵品の充実度、鑑賞しやすい環境、ゆっくりできるカフェもあって

半日ここで有意義な時間を過ごせてよかったです!

 古美術館のトレーの絵

↑「トレーを店内に戻してね!」と書いてある絵が可愛い❤ポルトガルの有名人なのかな?

開館時間や入場料6ユーロは公式サイトからご確認下さいね。

場合によって一部クローズされる時もあるようです。

http://www.museudearteantiga.pt/plan-your-visit/opening-time-price

    

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