スペイン東部アラゴン州テルエル県にアルバラシンという村があります。
村の中心地は山の麓に築かれ、周囲をグアダラビル川が囲んでいます。
スペイン10大美村にも選ばれたことのあるイスラム時代の雰囲気が残るのどかな村。
北も南も岩山に囲まれた厳しい環境の土地で、友人宅が近所でなかったら知る由もなく訪れる機会もなかったのですが
一目見た途端にとても気に入ったので是非皆さんにもご紹介したいと思いました。
目次
アルバラシンの歴史
その歴史はかなり古く、近郊に残された洞窟壁画からもわかるように鉄器時代からケルト系人が定住していました。
ローマ時代、西ゴート王国時代を経てイスラム支配時代を迎えます。
11世紀、その時の支配者がベルベル人の一族アル・バヌ・ラジン(ラジンの子孫という意味)だったことから現在の地名となったそうです。
(スペインでALが土地等の名前につくのはアラブ時代の名残。アルハンブラ宮殿もしかり。)
レコンキスタ(国土回復戦争)後はキリスト教化され、1170年にアラゴン王国が領有しました。
城壁が残る山上へ
村に到着して元気が残っているうちにまずは山上へ向かってみるのがおすすめ。
山上から村を見下ろすと迷路のように入り組んだ村構造の全体を把握しやすいからです。
壁に沿って小さな歩道があるので足元は悪くないのですが、全く日陰のない所。夏場の暑い日はちょっと大変かも。
急な坂道と最後の部分は舗装されていないので歩きやすい靴がいいでしょう。
山上には特に何もありませんが上から見下ろす村の風景も素敵ですよ!
この風景を見ると断崖絶壁の麓に作られた村だと言うことがよくわかりますね。
赤茶色の建物が密集する村
この村の特徴は狭い路地に赤茶色の建物や住居が押し込められるように建っていて、その道も坂道の曲がりくねった道。
最初は迷路のように感じられてどこを歩いているのかわからなくなってしまいます。
まずは村の中心マヨール広場を目指しましょう!
広場と言っても狭いです(( ´艸`)
時計の見えている建物が11世紀の建物。村の役場です。
周辺にはカフェや土産物やがぽつりぽつりとあります。
この広場を中心に坂道が四方に広がっています。
迷子になりそうになったら一旦ここへ戻ってくれば大丈夫。
広場以外にも幹線道路沿いにレストランなど飲食店は村の規模にしては沢山あると思います。
自家用車で訪れるスペイン人観光客に人気の避暑スポットでもあるからでしょう。
↑どうですか?迷路のような坂道です~。
建物は下部より上部が大きいといういびつな形!
日本の家屋は木造なのでもっても100年ほどですが、
スペインの家屋は基本石造りなので
こうやって中世の建物が現存現役で使われていてすごいと思います。
↓フリアネタの家(Casa de Julianeta)
ここまでくるとどこまでが隣の建物か、
境界線はどこなのかわからなくなってしまいます。>゜))))彡
サルバドル大聖堂
大聖堂は12世紀の教会跡に1572~1600年に建てられたゴシック様式とバロック様式がミックスしたもの。
ガイドツアーのみの見学となっているそうです。(ということで私は中に入らず)
内部は外観が素朴な感じに比べ清楚で白が基調の空間。
単一の身廊は天井はゴシック様式の装飾、礼拝堂はバロック様式の金メッキで覆われています。
この大聖堂の塔のカラフルな屋根を観たければ
大聖堂横の階段を登り少し遠くから振り返ってみると
緑、黄、白、青のモザイク柄が見えますよ。
鉄器時代の岩絵も!(Pinturas Rupestres岩絵)
離れた松林(Pinares de Rodeno)の中には
鉄器時代の壁画(岩絵)が数か所に点在しています。
壁画までの道は散歩道となっていて半分は舗装路、
あとの半分がハイキングコース。
公共駐車場まで(舗装路)車で約8分、徒歩だと1時間強。
そこから各方面の岩場を巡るようなかたちです。
Abrigo de ~とある場所が岩絵のある所です。
広範囲に広がっているので事前にチェックして行きたい場所を絞ったほうがいいかもしれません。
アルバラシンでのランチ
アルバラシンの幹線道路沿い、観光案内所すぐのレストランに入ってランチしました。
村の真中ではありませんが、テラス席に座ると崖下の川も眺められて景色も良し。もちろんお味も良し!
スペイン料理の「ミガス」や野菜天ぷらを食べました(*^^*)
友人がベジタリアンと常連なのでメニューにないプレートを用意してもらい
肉食はできるだけ避けましたがこのお店では山羊肉のシチューが人気だそうです。
こういうスペインの田舎で美味しいものを食べながらいい景色を眺めぼーっとするのは至福のひと時です!!
岩山に囲まれ厳しい自然の中で朽ちることなく続いてきた歴史ある村。
スペインならではの景色、日本ではお目にかかれません。
蝸牛クリームって??(Crema de Caracol)
アルバラシンには土産物屋さんは3軒ほどしかありません。
特にこれと言ったものはないのですが、友人がマヨール広場近くの薬局でカタツムリクリームなるものを買っていたのでついでに記しておきます。
たぶんスペイン国内ならどこにでも売っていると思いますが、彼女の家(田舎)の近所では売ってないからここで買ってたみたいです。
歴史的に古代ギリシャの医師ヒポクラテスが砕いた蝸牛を皮膚の炎症やケガに使用したのが始まりだそうで
韓国ではブームになるほど人気の美肌クリームとか。(知りませんでした!)
まがい品もあるみたいで注意だそうですがヨーロッパの製品なら大丈夫でしょう。
試供品を分けてもらって試してみましたがこういうものは長期間使用してみないと効果までわかりませんね。
期待できる効果は肌荒れ改善、皺伸ばしなどがあるそうです。
スペイン、ヨーロッパのお土産におひとついかがですか?
日本の通販で買うことはできませんが価格の参考に Amazon
アルバラシンへのアクセス
アルバラシンへはバレンシアからが一番短時間で行けます。車で約2時間。
公共交通機関を利用するならテルエルのバスターミナルからバスが出ています。
Navarro社
月~金曜日 テルエル 14:10→
アルバラシン 14:55着
土曜日 テルエル 15:30→
アルバラシン 16:15着
テルエルのバスターミナルには荷物預けの場所もあるので大きな荷物はそこへ預けて身軽にアルバラシンへ行くのもいいでしょう。
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月~土曜日 アルバラシン 8:55 → テルエル 9:45着
上記は冬時間なので夏時間や営業日、最新情報はサイトからご確認下さい。
土日祝は運行していません。
バスを利用する場合は1泊せざるを得ないですが村には宿泊施設や飲食店は多数あるので心配ないと思います。
日帰りするには?
宿泊するのも悪くないけど日帰りできれば…と言う方は現地のツアーを利用されてはいかがでしょうか?↓は一例です。
バレンシアからの日帰りツアー
テルエルとアルバラシンを両方見られてお得。
75ユーロから(往復のバス代、ガイド同行、保険付き)
流れ:
8時50分集合 9時発
10時45分 テルエル着 自由時間45分 11時半まで
12時半まで ムデハル様式の建築を見学したり テルエルの恋人達所縁の場所を訪れる
12時半から13時25分 移動
13時半 アルバラシン着
約30分 村をちょっと見学後 15時20分まで約1時間半 休憩
16時45分まで(約1時間25分)ゆっくり村を探索
16時45分から17時45分まで自由時間
17時45分発 20時 ヴァレンシア着
その他 アルバラシン現地ツアーも
アルバラシンを効率よく観光したい、ガイドに説明してもらっていろいろ知りたい、という方は
アルバラシンの村をガイドしてくれるツアーもありますよ。5ユーロ~
https://www.elandadoralbarracin.es/アルバラシン現地ガイド付きツアー
岩絵を見に行きたい、アルバラシンの自然を楽しみたい、ロッククライミングを体験したい、
なんていう方にはアクテビティ―もあります。
いかがでしたか?
スペイン人観光客は多いですがまだまだアジア人観光客は見かけない穴場スポットです!
国際免許証を持っている方はレンタカーで行くと便利ですね。
一人旅でもし英語やスペイン語ができるならBraBra Carを使ってみてはいかがでしょうか?
ブラブラカーとはヨーロッパを中心に18か国で取り入れられているサービス。
車を持っている人が同じ行先の同乗者を募集し、乗せてもらう代わりに代金を支払うというもので
昔でいうヒッチハイクをネット上でできるような感じ?
事前登録が必要ですが便利なサービス。次回の記事で詳しく取り上げます。
とにかくバレンシアまで行くならテルエル県にも是非立ち寄ってみて下さい。