スペインの南端にアルへシラスという街があります。
713年イスラム系ムーア人によって建てられた街で1035年~1058年までは独立小国家でもありました。
1344年レコンキスタ(国土回復戦争)によりカスティーリャ王国のアルフォンソ11世によって攻略された後はキリスト教徒の地となりました。
アルへシラスはバレンシアに次いで大型の港があり
向かいのアフリカ大陸に渡るフェリーが出ているため多くの観光客も訪れる街となっています。
私はジブラルタルとモロッコに行きたいためにここに2泊滞在しました。
スペインの端っこであまり聞いたことのない地名。
イスラム系の人ばっかりの寂れた?感じの街を想像して行きましたが
意外と良かったのでレポートしてみます。
目次
アルへシラスへのアクセス
私は行きはグラナダから、帰りはセビリアに向かい両方ともバスを利用しました。
国鉄Renfeも乗り入れているのですが、口コミによるとロンダ辺りから電車の速度が落ちたり遅延することもあるというのでバスにして正解でした。
どちらもアンダルシア地方の独特の風景「ひまわり畑」、やオリーブ畑、風力発電風車群などが車窓から見られて良かったです!
- グラナダから Omiodで検索
約4時間15分 ALSA社のバス 28ユーロ~
- セビリアから Omio
約3時間半 22ユーロ~
アルへシラスのバスターミナルは鉄道駅のすぐ隣です。
アルへシラスの市街地
中心部はこじんまりとまとまっているため数時間で街の概要を把握できます。
海が見えているのでそちらの方角が東だとわかっていると道に迷うことはないでしょう。
徒歩圏内に何でも揃っているので便利。
飲食店、スーパー、ショッピングモール、伝統市場、衣料雑貨店、銀行、モロッコへの旅行代理店等。
街のランドマークはAlta 広場で、
その前にはパルマの聖母教会があります。
パルマ(ヤシの木)の聖母教会
名前にもあるように城壁が美しい教会の前には大きなヤシの木が建っています。
1720年に建造されたローマカトリック教会で、1807年に作られたアルタ広場より歴史が古いです。
身廊は樽型の円天井でその奥の祭壇はとても繊細な装飾が施されています。
煌びやかで品のあるマリア像、うっとりしてしまいます。
アルタ広場は必ず通りがかると思うので是非立ち寄って拝顔してください。
ジブラルタルへ
スペイン語でヒブラルタルと発音するこの地はアルへシラスの港の対岸に位置していて1713年から今もイギリス領です。
昔から地中海の出入り口を抑える戦略的要塞の地でした。
歴史は古く紀元前950年頃からフェニキア人が定住するようになり、以来様々な統治者によって支配されてきました。
半島の大半を占める岩山=ザ・ロックは石灰岩と頁岩からなる岩山で
東側は登ることができないと言われるほど断崖絶壁(海抜約420m)です。
そんな岩山をロープウェイで訪れました。
アルへシラスのバスターミナルからのアクセス
一番早い行き方でザ・ロック麓ケーブルカーの駅まで約1時間10分。
但し国境を超えることになるのでパスポートコントロールで少し時間がかかります。
バスターミナルから
Avanza社 L-313(マラガ行き)や
ローカルバスM-120 Dに乗ると約30分。
Estacion La Linea で下車。
(Avanzaのバスと一般ローカルバスの乗り場は少しだけ離れているので
グーグルマップで確認してくださいね。)
そこから徒歩で国境を越えます。
↑国境付近の様子
バスを降りてマクドナルド方向に行き、ジブラルタル国際空港の横を通過してすぐ。650m。
国境を越えたらすぐにバス停があるので10番のバスに乗車。
Boyd Street Terminusで下車。11駅12分。
ロープウェイ
所要時間6分で頂上まで行けます。
終点の駅にはカフェ、レストラン、トイレ、テラスがあり快適。
運行時間 9:30~19:15 夏季。
冬季は17:15まで。
運賃16ポンド(クレジットカード使用可) オンラインでも購入可能
展望台からの眺めはやはり最高でした!!(*’▽’)
(*注:私が訪れた時のかつての展望台は今はSky Walkという最新のガラス張り展望台になっています。)
スペイン側はもちろん、向かい側のアフリカ大陸もはっきりみることができるので感動^^
現在の360度見渡せるデッキはかなりスリリングみたいです!
ちょっとしたカフェ兼土産物屋があるのでそこで一息付けます。
近くのApes Denと言う場所では猿がウロウロしていますよ。
ヨーロッパ唯一の野生猿の生息地!
観光客に慣れていて食べ物を狙ってくるので注意が必要です^^
↑アルへシラスをバックに記念撮影と遠くに見えるアフリカ大陸
そして山上駅(Top station)から南へ徒歩で15分ほどのところに
Saint Michael’s Cave 「サン・マイケルの洞窟」という鍾乳洞があります!
第二次世界大戦の際、洞窟が病院として使用されていましたが
より換気をよくするため爆破を進めていた時に
この大きな鍾乳洞が発見されたそうです。
岩山の内部は巨大洞窟になっていたんですねΣ(・ω・ノ)ノ!
しかも現在はコンサートができるような会場にもなっていて驚きです。
ユニークな形に想像された岩がライトアップされ輝いているので
大自然と人工の織り成す芸術に息を飲みます!幻想的~
入場料 2種類
5ポンド(山上トレイルと鍾乳洞のみ)/12ポンド(その他時ブラルダル観光スポットも入場可)
営業時間 9:30~18:15(毎日) 詳しは参考サイト でご確認下さい。
その他の観光スポット
・Great Siege Tunnels 18世紀後半にイギリス人によって掘られた大包囲トンネル
・Moorish Castle イスラム系ムーア人が築いた城跡
・City Under Siege Exhibition 18世紀にスペイン・フランス軍に包囲された時の様子を再現した建物
・Military Heritage Centre 世界遺産センター
・O’Hara’s Battery (オハラ砲台)
ジブラルタルは狭い土地の中に歴史的建造物、自然、教会や戦争関連施設、飲食店などが
ぎゅっと詰め込まれている感じです。効率よく観光して回れます。
ショッピングは
トラファルガー墓地~ムーア城の間にメインストリートが通っています。
両脇に商店や飲食店が並んでいて土産物など簡単に手に入ります。
イギリスのブランドショップももちろんありますよ。
*通貨に関して
ジブラルタルではジブラルタルポンドが使用されています。(イギリス本土のスターリングポンドとは価値は同じですが異なります)
ユーロも使えます、がレートは良くないとか。
私は日帰りだったのでロープウェイの運賃はカードで支払いました。
カードでいける場所はカードで済ませたほうが便利でユーロをポンドに交換するより
レートもいいと思います。
数日間滞在するつもりでポンドが必要な場合はATMで。
(*ユーロとポンドを選択可能)
とにかく1日の観光くらいではわざわざ両替する必要はなかったです。
エリザべス女王の裏側はこんな感じ↑かっこいいから記念に1枚あってもいかも^^
宿は口コミで人気の オスペダヘ リスボア アルヘシラス(Hospedaje Lisboa Algeciras)
アルへシラスは大きな港町にしては快適な安宿はあまり多くないような気がします。
そんな中で立地も良く日本人に人気のある宿に泊まりました。
鉄道駅、バスターミナルから徒歩で数分。
フェリー乗り場、ジブラルタル、アルト広場界隈、どこに行くにも徒歩圏内で超便利!
宿の人も親切です。
隣が軽食&バーの店なのでそこで食事をするのもいいし、近所のスーパーで食材を買ってきて共有キッチンで料理することも可能です。
オスペダヘ リスボア アルヘシラス(Hospedaje Lisboa Algeciras)
1泊約5000円~
私があてがわれた部屋は2階レセプションに近い部屋で一人にしては空間が広くて落ち着けました。
清潔に保たれていて水回りも問題なかったです。
宿から通りをみた様子。整然としていて治安も悪くないです。
家族経営の宿でチェックインの時間は早めに到着しても対応してくれました。
チェックアウトは早朝だったのですが、鍵はBOXに入れて立ち去る形になっているので
わざわざ朝早くに起きてもらう必要もなかったので気が楽でした。
おすすめです!
いかがでしたか?
アルへシラスは大都市のようにざわざわしておらず、かと言ってド田舎で何もないという場所でなく何でも揃っていたのでいい街でした。
長く滞在すると退屈するかもしれませんが。
モロッコへ長期の一人旅に出かける人はここで物資を揃えるのにもいいですね。
次回はモロッコ日帰り旅についてレポートします^^。