目次
エレバンの第一印象
アルメニアの首都エレバン、ピンクが鮮やかな建物が目を引きます。
かつてソ連に組み込まれていたのでソ連時代を彷彿とさせる趣味の悪い巨大建造物が
目につくかと思っていましたが、市内ではほとんど見かけませんでした。
近代的な高層ビルは少なく、目貫通りでもハイブランド店は少な目。
一般店頭のディスプレイもお洒落ではない感じ。
IT立国でIT関連の大学も多いと聞いていましたが
市民生活の中ではその様子が見受けられず、
年代物のバス、年季の入ったトロリーバスも残っていましたし
未だICカードも導入されていないので地下鉄やバスに乗る度に現金が必要です。
コーカサス3か国、共通で感じたことですが
車の運転は荒く、交通渋滞でイライラした人達が目につきました。
(バスや地下鉄はソ連時代のまま?なのにレンタルキックボードはある、不思議・・)
期待外れスポット
★Cascade Complex
カスケードにはお昼に行きました。4月下旬でしたが日本より気温は高く
日中28度、日差しが強いので体感は30度以上に感じました。
階段を上る気にはなれずエスカレータを利用しましたが(無料)
「ソ連時代の遺物?よくもまだ動いてるな」と思うくらいの代物!!Σ(・ω・ノ)ノ!
何度も乗り継ぎ一番上まで行きました。
最上階では美しいクリスタルが見られるとの情報があったので期待していましたが
2024年4月現在改装中!
内部エスカレータの横には近代アートとして置かれているのでしょうか、
変わったソファや椅子の展示がありましたが埃をかぶった趣味の悪いもの。
途中階にある庭?スペースも工事中だったり。
上からの眺めも感動するほどではありませんでした。(( 一一)
夜ならライトアップされていて見ごたえがあるのかもしれませんが
わざわざ行くほどでなかったと正直思いました。
★ブルーモスク
ペルシャの属国になったことはあってもアルメニア正教を手放したことがない土地。
キリスト教が国教となる前はゾロアスター教だったので
イスラム教の力があまり及んでなかったのかもしれません。
ウズベキスタンで荘厳なモスクやメドレセの青タイルを観てきた私からすると
エレバンのモスクは「いまいち」って感じました。
モスク内も小さくて女性は後方の別エリアから覗くだけ。
トルコ等のモスクで感じる神聖な雰囲気もなく
写真撮影するほどでもないと感じ早々に退出しました。
行ってよかったスポット
★歴史博物館
まずは6200年も前からここに人が暮らしていたという証拠、
アレニ洞窟から発見されたワイン醸造跡の紹介、革靴等に驚きました!
又、紀元前から6世紀くらいまで高度な技術を持った王国として栄えていた頃の様子が
道具、貨幣、アクセサリー、文字等からわかりました。
特に印象的なのは繊細で模様が美しい木工彫刻、石彫刻!!
今でも街中の建物の装飾、教会の入口等で見かけられます。
他にはアルメニアの織物の紹介もありました。
★11:00-18:00(日曜17:00まで)(月休み)入館料 2500ドラム(約1100円)
★Northan street
共和国広場(歴史博物館左側)からカスケードに向けて歩行者天国の広い道が
通っています。エレバンの目貫通りです。
エレバン特有の美しい色の建物の中にブティックやレストラン等が入っています。
観光客向きの土産物屋はなさそうでしたが座って道行く人を眺めてみるのもいいかもしれません。
アルメニア女性は美人!ということで知られているそうですが
確かにどの子も綺麗でビックリします!(なぜか美男は少ない(*´▽`*))
若者が多く、少子化の日本と比べるとまだまだ伸びしろがある国だと感じました。
その反面、平日なのにカフェでのんびり食事したりお茶をしている人が多くて
仕事しなくて大丈夫???なんて思ってしまいました。
★民芸工芸品Vernissage/蚤の市
共和国広場右手に大きな公園があり、
そこをまっすぐ行くと民芸工芸品等を売る露天市ーVernissageに出ます。
かなり広いスペースに土産物(陶器、絵画、布製品、木工彫刻、チェス、アクセサリー)
の店が沢山並んでいて見てるだけでも楽しいです。(毎朝9時から開催)
これに加えて週末には蚤の市も出ています。
アンティークの食器や小物、カーペット等。
陶磁器に興味のある人ならどれもこれも欲しくなってしまう品が沢山!!
残念ながらまだ他に3か国行く予定だった為今回は何も買いませんでしたが
アルメニアが最後の場所なら絶対何か買っていたと思います~
★Parma(大型スーパー&フードコート)
食料品のお土産探しなら大型スーパーに行くことが多いと思います。
エレバンにも伝統市場があるみたいですが今回は時間がなく行けませんでした。
こちらの新しいスーパーはブルーモスクの向かいにあり共和国広場からも歩いて行けます。
1階がスーパー2階がフードコートです。
スーパーではコーカサスでよく見るチュルチュヘラ(ジョージア語)というお菓子や
「ARARAT]ブランデーも買うことができます。
⇚クルミorヘーゼルナッツに糸を通し
ブドウ果汁に小麦粉を混ぜて煮詰め干した
やわらかいキャンディーのような
グミのようなお菓子。
2階フードコートはいろんな店が入っていて私はアルメニアっぽい料理を注文しました。
英語の話せないおばちゃんが一所懸命にすすめてくれたパンケーキと豆スープ。
スープを頼むと必ずパンがついてくるんですね(*ノωノ)
おばちゃんがサービスでパンケーキも1枚多くしてくれた為、食べきれない( ;∀;)
アイスクリーム店や清潔なトイレもあるので街歩きに疲れたらここで一息つくのもありですね。
印象に残ったスポット1 アルメニア教会
アルメニアは(それまでゾロアスター教が広く信仰されていましたが)
301年に世界で初めてキリスト教を国教としました。
しかしその後ペルシャ帝国からのキリスト教弾圧に耐え
506年にはキリスト教にとって重要なカルゲドン信条を不採用にすることによって
ペルシャ側に宗教的自由を認めさせたそうです。
9世紀末には東ローマ帝国からの統合を断り東方正教会から離別、
以後独自のキリスト教を信仰。
というようなことから、旧ソ連に含まれていたにも関わらず
ロシア正教会とは異なった雰囲気。
入口や戸口にはアルメニア特有の彫刻があり、絢爛豪華でなく素朴な感じ、
コーカサス絨毯が敷かれていたり、イコンの顔がより人間的?で
女性は頭にスカーフ必須だけでなくズボンをはいていてもスカートのような腰巻が必要だったり
他の正教との違いを感じることができます。
もし現代の人々の間でどんな風に信仰されているのか見たければ
市内の2つの教会がおススメです。
ホル・ヴィラップ修道院等古い遺跡のような教会では
地元の人が日々祈っている姿を見ることは稀だと思うので。
最近建造されたグレゴリー大聖堂では朝のミサの様子を拝見。
黒マントに襷を掛けた司祭さん達、
一番偉い人が聖歌(讃美歌でなく祈りの言葉にメロディをつける楽器なしでのアカペラ)を謡い
地元の信者たちが有難くその教えを聞き、熱心に祈りを捧げていました。
振り香炉の煙が蔓延する中、とても神聖な雰囲気に包まれ異教徒の私でも癒されました。
一方St.Sargis Vicarial Churchは歴史を感じる古い教会で
そこでも地元の人が蝋燭を灯してイコンに向かって真剣に祈る姿に目を奪われました。
*教会を出たところで老婆が物乞いをしていたのは意外で
ホームレスは見かけませんでしたがこの国の社会保障はどうなっているのか気になりました。
印象に残ったスポット2 一押しでおススメ セルゲイ・パラジャーノフ博物館
何気なく立ち寄ってすごく良かったのがセルゲイ・パラジャーノフ博物館!!
アート作品や物づくりをしている人ならきっと気に入る場所だと思います。
何故なら多種多様な素材のユニークな使い方、構成・・シュールすぎる!!
ちょっとコワくて可愛くてカラフルで面白い
「こうでなくちゃいけない」なんて彼の頭の中にはなかったと確信できる
奇想天外、奇抜なアイデアに打ちのめされました(*ノωノ)
セルゲイ・パラジャーノフはジョージア1924年生まれのアルメニア人。
ソ連の映画監督、脚本家、画家、工芸家です。
幼少期はバイオリンやバレエ、絵画などに触れ芸術的に恵まれた環境で育ち
若い頃はソ連の意向に沿うような作品を制作していたそうですが
後にウクライナの知識人に対する不当な逮捕拘留に反対したり
反政府的作品を制作したりして当局から目をつけられ1973年には検挙されました。
1977年に釈放されたものの危険人物と見なされ1982年に再び逮捕、無罪となります。
ソ連崩壊後は海外に出て彼の作品は賞賛されるようになったものの
体調が悪化して1990年に66歳で亡くなりました。
日本で彼の映画作品は手に入りにくく、何も見れないままエレバンに行きました。
映画製作活動のことしか知らなかったのですが、
彼の世界観が詰まった博物館には数多くの彼の工芸品が展示されており
一見の価値がありました!!
10;00-18:00無休 入場 1500ドラム(約600円)
街歩きに疲れたら
お洒落なカフェでのんびりお茶するのもいいですが
街歩きでちょっと一息つきたい時、ドリンクバーを利用するのもありです。
街のあちこちにあり気軽に利用できます。
*100ドラム=約40円(2024年5月)
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ご覧いただきありがとうございました!
次回はジョージアへの国境越えについて書きます。