目次
アゼルバイジャンとは
コーカサス地域にある国で、東はカスピ海、
北はロシア、南はイラン、西はジョージア&アルメニアと国境を接しています。
北海道より少し大きい国土に1040万人ほどが暮らしています。人口の97%がイスラム教。
簡単な歴史:
●紀元前 5000年前には人が居住。紀元前4000~3000年 最初の国家が形成されたと考えられる。
●BC.9世紀 スキタイ人が侵略。
●BC.6世紀 アケメネス朝ペルシャに征服され、ゾロアスター教が広く信仰される。
●3世紀 (ギリシャ系)パルティア帝国からササン朝ペルシャの占領下に。
●7世紀以後 アラブカリフ国に占領され、ゆるくイスラム教化。
★861年 コーカサス東部(シルヴァン地方)に首都をシャマキ(Samaxi)とするスンナ派イスラム王朝ーシルバン・シャー朝が興る。(後に1191年地震によりバクーに首都を移転)1583年(現在のイラン領アゼルバイジャンの)サファヴィー朝ペルシャに滅亡させられる。↑ バクー旧市街にある宮殿を建造した王朝です! |
●11世紀以降 中央アジアテュルク系民族、土着ペルシャ人、アルメニア人、クルド人等の混血が進み
アゼルバイジャン人が形成されいく。
●13世紀 モンゴル系のイル・ハン国に編入後ティムール帝国にも支配される。
●1585年 オスマン帝国に征服される。
●17世紀 サファヴィー朝ペルシャ支配に戻り、カスピ海南西地域のトルクメン人がシーア派に改宗。
●1806年 北部はロシア帝国に編入(南部はイラン王国に)、1918年のロシア革命の際に一旦独立。
●1922年 イギリス占領後ソ連に侵攻されソ連の一部となる。
●1989年共和国宣言。1991年国名をアゼルバイジャン共和国とする。
●1993年以来、ヘイダル・アリエフ大統領が主権を掌握、現在は世襲した息子が大統領職に。
油田、天然ガス田が豊富でエネルギー大国、その他農産物も豊富。
この様に地理上の関係から古代より多国家と他民族に侵略され複雑な歴史を経て現在に至っている。
旧市街 Information
旧市街は12~15世紀にかけて建設された城壁に囲まれたエリア。
狭い路地や石畳歴史的建造物が残っています。
イスラム、ユダヤ教、キリスト教等異なる宗教と文化が共存、
それらが融合し独特の雰囲気が漂っていて誰が行っても楽しめるスポットです。(#^.^#)
旧市街に行くにはメトロが便利。Icherisheher(イチェリチャヘル)駅を出たら
左手にすぐに入口があります。まず宮殿を目指すならこの入口が近いです。
シェマハ門から入りたい場合はメトロの駅を出て右手方向、壁に沿って歩いて行くと到着します。
(各種ツアーの集合場所はシェマハ門前が多い)
今回私は旧市街の有料施設3か所に行きました。宮殿、乙女の塔(メデリンタワー)とハマム。
宮殿は10:00~19:00 、乙女の塔は10:00~18:00 各15マナト(各約1400円)
*他にも割引チケットがあり、
3か所コンボ(上記2か所とUnderground bath か Tahir Salahov’s House Museumどちらか)34.2マナト
4か所コンボ(上記全ての場所)36.8マナトもあります。
駅から左方向に進んだところすぐ、地下に公共トイレ(Taulet)もあります。
有料で0.4マナト(約40円) お掃除のおばさんが常駐している清潔なトイレです。
↑私が歩いたコース。シェマハ門→メイデンタワー(乙女の塔)→モスク前を通って→宮殿
バクー旧市街はジョージア/トビリシ旧市街とは異なり、完全に町が城壁で囲まれており
想像していたより広い敷地でした。
一歩中に入るとほぼ歩行者天国のようで、街並みは昔のまま、
迷路のように入り組んだ細い道に生活感あふれた庶民の家も存在しています。
塔や、宮殿はちょっと見るだけでいいかな、と考えていましたが
中に入るといろいろバクーの知らなかった歴史を知ることとなり
ついつい長居してしまったくらい!
飲食店、土産物屋も沢山あり、バクー発の現地ツアーを催行している旅行会社の人が声をかけてくるので
現地で手配してツアーに参加したい人はわざわざ旅行会社に出向かなくていいので
便利だと思います。(日本で予約する価格と大差なし)旧市街の地図付きなのでもらってね。
乙女の塔(メイデンタワー)
世界遺産であるこの塔は一般的には12世紀に建てられたとされていますが諸説あり。
とある歴史家の説によると:
塔の基礎部分は地下15m、イスラム教が入ってくる以前の建築で、
ササン朝ゾロアスター教(拝火教)の火の神殿であり
塔の頂上に7つの非常口があったとされています。(BC8~BC7頃等諸説)
その後12世紀になって今の塔の大部分が建設され、
その当時は天文台として使用されていたと考える、だそうです。
私は塔内にある展示物や資料から上記の説を信じたいと思います。(ロマンがあるので♡)
塔は8層くらいになっていて各層には展示物やビデオスペースがあり
最上階は展望スペースで、バクー市内とカスピ海を望むことができます!
下の図 上段:ゾロアスター教を信仰する人々は火を拝んでいた。
中段:塔が建設され」拝火教寺院として利用。
下段:12世紀には天文台として利用されていた。
下の図 最上段:もともと住んでいた人々はイスラム教を信仰するアラブ人によって土地を奪われた。
最下段:塔の窓に差し込む太陽光で時間や季節を計測していた??
バクーの意味は「風の街」だそうです。カスピ海からの風はかなり強風!!
尚、「乙女の塔」と言われているのにはいくつかの伝説から来ています。
シルヴァン・シャー宮殿
宮殿は複合施設となっており、メインの建物、墓室、モスク、霊廟、貯水池、浴場跡があり
かなり広くてインスタ映えするスポットが沢山あります!
破壊、廃墟、倉庫から修復&復元後、世界遺産に!
この複合施設はシルヴァンシャー朝が12世紀にバクーに首都を移転した時から建設に力を注がれ
ヘルワティ・スーフィー派の聖者:セイイド・ヤクシャ・バクーヴィの礼拝所と墓の周りに立てられた記念建造物と考えられています。
他の見解では統治者の宮殿として使用されていたと言います。
1501年にサファヴィー朝がバクーを征服後スーフィー教団は追放され
1578年にはオスマン帝国の支配下に入ってからはトルコのパシャ(役人)が住んでいたそうです。
17世紀以降ロシア帝国の爆撃などで一部破壊されたりして荒廃し廃墟となっていきました。
19世紀ロシア軍の管轄になり大規模な改修が行われて倉庫に改造されてしまったそうです。
1920年考古学的調査が始まり修復を開始、復元に取り組み、1992年新たな修復工事の後2000年に世界遺産に登録されました。
居住スペース、昔は2階もあったそうですがロシア軍の改修によって潰されたみたいで今は1階のみ。
そこに歴史を説明する展示品などが並べられて博物館のようになっています。
装飾もイスラム美術の繊細な技術が施されていて必見!
最近まで「治癒の力」があると信じられていた井戸を覗いてから外に出ると
裏の方には庭、聖者の墓等があり、モスクの方に向かうと王族の眠る霊廟、浴場跡もあり、
どこもフォトジェニックな場所で気に入ってしまいました。
私が訪れたのは17時すぎ、夕陽が差し込みアザーンが聞こえ、現地の人が祈りを捧げている中で
ゆっくり見学することができました。観光客は少なく、写真撮影も存分にできたのでこの時間はおススメ!
旧市街でのショッピング&イベント
城壁内には沢山のレストラン・カフェや土産物屋等があります。
価格は観光客向けだとは思いますが、ブラブラ見ては休憩して・・雰囲気を楽しめます。
定期的にあるのかはわかりませんが、日曜日に立ち寄ったら
露天市(ハンドメイドショップ)が出店していました。
又、その日は特別イベントがあって民族音楽の演奏、
特産アゼルバイジャンカーペットの制作工程の実演を見ることもできました!
ハマム体験!
Ağa Mikayil Hamamı-Məşədi İbad Hamamı
ハマムとはアラブ諸国、中東全域、中央アジア諸国に広く見られる伝統的な公衆浴場です。
ジョージアにもあったのですが、行く機会がなかったのでバクーで行くことにしました。
調べてみると内装が豪華で面白そうなハマムがあり気に入ったのですが男性のみで残念。(;_:)
ジョージアでは女性も行ける浴場は複数あったのですがバクーでは1か所しか見つけられませんでした。
しかもーー月曜と金曜のみ!(11:00~22:00)
料金は
金曜の午前に下見に行くと店の前でおじいさんが声かけをしていて料金を教えてもらいました。
・入場だけ 10マナト(約950円) ・ボディースクラブ(垢すり) 15マナト
・マッサージ 20マナト ・フェイスマッサージ 10マナト
・チャイ 4マナト、 ジャム 4マナト ・バスローブ 5マナト、タオル 1マナト
フェイス以外をトータルすると59マナトですが、50マナト(約4800円)でいいとのこと。
カード払いも可、とのことで夕方に行くことにしました。
夕方16時頃に行ってみるとまだ混んではいませんでした。
会計を済ませると(英語のできない)おばさんがロッカーに案内してくれます。
それから私を担当してくれるおばさんを呼んでその人についていくように言われました。
設備は
鍵付きロッカーあり、但しセキュリティ度は低いので
貴重品はできるだけ持ち込まないことをお勧め。
(番号を間違い別人のロッカーに自分の鍵を差し込んでしまったのですがなぜか開いたので!)
ロッカー内には(浴室に履いていける)スリッパあり。
大判タオルとバスローブ(といっても体に巻けるサイズのバスタオル)貸し出しあり。(有料)
受付台の後ろにドライヤーがあるので使わせてもらえますが1台しかないので
皆が使っていると待つ必要があります。
一旦宿に戻ってスリッパや水着、タオル等を準備していきましたが結局不要でした。
気になる施術は?
全く言葉の通じない担当の有無を言わせない感じのおばちゃんが待ってるので
待たせてはいけないと急いで準備をしました。
ですからのんびり化粧を落としてる時間もなく・・
ジョージアでは水着着用との情報を持っていたので水着を着て行ったらダメ出し!!
素っ裸になって浴場に連れていかれました( ;∀;)
まずはシャワー、それからサウナに入れとの指示。
サウナは苦手なので数分で出て行ったら2回入れ!と言われて仕方なく言う通りに。
それから台の上に寝転がらされ、お湯をかけられ、垢すりが始まりました。
これが痛いのなんのって!!手加減無しです( ゚Д゚)
隣でやってもらってる女性を横目でみるとかなりの巨体。
そりゃいつもあれくらいの女の人や男性を相手にしてるなら
これくらいの力でないとダメなんだろうと思いつつも痛い!!!!!
しかも顔も同じように垢すりタオルでゴシゴシやるから顔面はヒリヒリ(*_*;
日本人は皮膚が薄いんだよ――――(涙)
桶でお湯をかけられていったんすすぎ。
次にいきなり頭からお湯をかけられてシャンプーとリンス!
それから(スクラブ)マッサージがありました。
またまたお湯をかけられた後にシャワーに誘導され
再度サウナに入ってから最後にお湯を被って終了。(所要時間1時間)
因みにマッサージは時間短縮されたもよう。( 一一)
受付のおばちゃんが後から「あれ?早いね、マッサージもやった?」と聞いてたら
担当のおばちゃんは規定30分と知ってか知らずか外人だからわからないよね、みたいな感じでうやむやに。
その他
レディースデイ、地元の御婦人方もいました。おしゃべりでもして交流もするのでしょう。
蛇口から出るお湯を浴びて身体を洗いサウナを利用する、
これだけの人は水着を着用している人もいました。
湯上りのお茶の時間、タオル一枚で過ごす人が多かったです。
感想
異文化を体験する、という意味では面白かったです。
旅の疲れを癒す為に行きましたが私の行ったハマムは湯舟もなく
顔に水がかかるのが苦手にも関わらず頭からバシャバシャかけられ
垢すりで体中に傷もできたので全くリラックスはできませんでした( ;∀;)
(身体や顔に擦り傷ができて1週間瘡蓋が~)
風呂上りのチャイも楽しみにしていましたが席が埋まっていたので
一番隅に追いやられのんびりティータイムを楽しむこともできませんでした。
アドバイス:
スッピンでいきましょう!
全コースを選ぶなら身軽で行って大丈夫。貴重品は最小限に。
午前中からやっているので午前から午後に行くのがおススメ。
私が帰る頃から観光客がゾロゾロ入ってきたので夜は混むと思います。
私は5月3日に行きましたがバクーはカスピ海から強風が吹くので
夜は寒いです。日中28度くらいでも夜は15度位まで下がる日もあったので
湯冷めしないよう防寒対策も忘れずに!
動画