バルカン半島ってどんなところ?
バルカン半島は、東欧と西欧、さらには中東の文化が交差する歴史的にきわめて複雑な地域です。
その地理的要因から、古代よりローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国といった大国に支配されてきました。
近代ではオスマン帝国崩壊後に戦争が相次ぎ、民族移動や大虐殺も起こり、今なお宗教や民族に関する問題を抱えています。
一方で、そうした歴史の積み重ねは街の景観や宗教、食文化の中に色濃く残り、旅人にとってはとても奥深い魅力があります。
この記事では、バルカン半島(ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、アルバニア、コソボ、北マケドニア、ブルガリア、ギリシャ)
を50代女性のひとり冬旅での体験をもとに、気候や宿泊、治安、ネット環境、年末年始の注意点などをリアルにお届けします。
気温と服装|冬のバルカンはどれくらい寒い?

上の地図をご覧になるとわかるように、バルカン半島の地形はとても複雑!
山脈が多く、風や雲の流れを遮る → 雨の多い地域と乾燥地域が隣接
沿岸部 と内陸部 の気温差が大きく、同じ国でも気候が大きく異なる
標高の違いがあり、 山岳地帯では標高ごとに異なる気候帯が現れる
しかも12月〜1月の気温は、国や標高によって大きく異なります。
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又、この時期は日照時間が短い(日の出:7時半くらい、日の入り:16時半くらい)ので
観光スケジュールにも注意が必要。(多くの観光スポットが冬季営業時間で運営)
都市名 | 国名 | 日の出(12/31) | 日の入り(12/31) | 日の出(1/1) | 日の入り(1/1) |
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リュブリャナ | スロベニア | 7:45 | 16:24 | 7:45 | 16:25 |
ザグレブ | クロアチア | 7:39 | 16:23 | 7:39 | 16:24 |
サラエボ | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 7:19 | 16:18 | 7:19 | 16:19 |
ベオグラード | セルビア | 7:17 | 16:07 | 7:17 | 16:08 |
スコピエ | 北マケドニア | 7:01 | 16:03 | 7:01 | 16:04 |
テッサロニキ | ギリシャ | 7:44 | 17:14 | 7:44 | 17:15 |
ソフィア | ブルガリア | 7:56 | 16:58 | 7:56 | 16:59 |
ティラナ | アルバニア | 7:00 | 16:24 | 7:00 | 16:25 |
プリシュティナ | コソボ | 7:11 | 16:10 | 7:11 | 16:11 |
ポドゴリツァ | モンテネグロ | 7:13 | 16:23 | 7:13 | 16:24 |
以下、持って行って良かった防寒アイテムや、街歩きにちょうど良かった服装など、
リアルな体感を共有します。
★ボスニア・ヘルツェゴビナ:
サラエボから東、セルビアとの国境あたりまでは大雪でした。
積雪が10センチ以上あったのでスノーブーツ又は防水ブーツは必須です。
気温は朝晩は-6度くらい、雪の日は日中もマイナスか2か3度くらいでした。
吹雪くと傘があっても差していられないのでニット帽、手袋も必須です。
使い捨てカイロはもちろん持参しましたが、
手袋だけだと冷えた手のままなので充電式カイロが意外とよかったです。
ヨーロッパは電力不足気味と聞いていたので暖房は大丈夫?と思っていましたが、これは問題なかったです。
驚いたのはサラエボから3時間、
山を越えアドリア海に向かう途中のモスタルでは天候が一変しました!
日差しもあり、日中羽毛コートを着て歩いていると汗ばむくらい。同じ国でもはっきり違いを感じました。
有名観光地、クロアチアのドブロブニクまで行くともっと暖かいと思います。
★モンテネグロ:
ここも内陸と沿岸部では差がありました。山手は雪が残っていました。
首都ポドゴリツァに近づくと標高が低くなるので雪はなくなりました。
そこからさらに沿岸部のコトルに着くとより暖かく、
コトルでは雪がないのでスニーカーを履いて観光していました。
山(城塞)に登るなら運動靴がおススメです。
但し朝晩は風が強く冷え込みます。そして石造りの宿だったので寒さを感じました。
★アルバニア:
アルバニアは日中は10度以上あったと記憶しています。
日本の12月、1月と同じ感覚でした。
首都ティラナはバルカン半島でも有数の多雨地帯と言われているそうですが
運よく外にいる時に雨には遭遇しませんでした。例年冬は温暖で雨が特に多いのは11月だそうです。
又、ベラトに行きましたが日中は山手でも暖かかったです。コートなしセーター1枚での場面も。
但し朝晩は冷え込むみたいです。
★北マケドニア:
オフリドは山脈にあり上昇気流が発生しやすく、湖岸にあるので湖の蒸発による湿度の上昇により
天気が崩れやすいです。夏は比較的乾燥しますが、冬から春にかけては降水が多めです。
宿は湖岸ではなかったのでそれほどでもありませんでしたが、湖岸は強風が凄かったです!寒い!!
今回の旅でオフリドだけ小雨に降られました。
首都スコピエに行くまでの山間部は雪が積もっていて、スコピエもところによって残雪がありました。
スコピエは盆地で雨は少な目だそうです。
★コソボ:
プリズレンは標高約450mにあり、周囲に山が多く、冷気が滞留しやすいです。
山脈に近く、寒気が流れ込みやすいため、バルカンの他の低地都市より冷え込む日が多く
1月が最も雪の可能性が高いとか。晴れた日の朝は氷点下に下がることも珍しくなく、
ティラナから行きましたが予報気温は朝はマイナスで、明らかにティラナより寒かったです。
又、山脈越えでは濃霧が凄かったです!
★ブルガリア:
ソフィアはブルガリアの中でも最も雪が多い大都市(標高550m)の一つで、
年によっては1〜2か月ほど積雪が持続することもあります。
(氷点下10℃近くになる日もあり)夜間はかなり冷え込みます。
滞在中、雪はふりませんでしたが、日陰に残雪がありブーツ、防寒具が必須でした。
★ギリシャ(北部):
テッサロニキは海に近いため寒さはやや緩やか。雨や曇天が続くが、雪はごくまれです。
平均最高気温:9~12度、平均最低気温:2~5度。
但し風が強く、体感温度が実際より寒く感じる日も。
メテオラは内陸かつ標高約600mで高いため冷え込みが強いです。
テッサロニキからメテオラへの沿岸部は濃霧で周りが見えないほどでした。
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以上の私が訪れた都市の中で
一番寒かったのはサラエボ、2番目がソフィア、3番目がプリズレンでした。
この3都市は厚手のコート、防寒靴、手袋・帽子・マフラー必須です。
雪が解けると足もとがびしょびしょ、路面凍結の恐れもあるので
できたら完全防水、滑り止めのついたブーツがお勧めです。
宿やバスには暖房がよく効いていたのでそのあたりの心配は無用でした。
宿泊事情|女性ひとりでも安心できる宿は?
利便性、価格、清潔さ、プライベート空間を重視して宿を選びました。
私はいつもブッキング.コムを利用して、一応アゴダ等で比較することはありますが
Geniusu割引があるので以下の宿は全てブッキング.コムで予約しました。(1€=162.5 円換算)
★それぞれの宿の詳細、写真等はブッキングコムのサイトでご確認下さい。
1.サラエボ Old Town Studio Sarajevo



いわゆる民泊で、宿のオーナーは若い女性、感じの良い人でした。
5泊134€(消費税、清掃料金、市税込み)1泊あたり26.8€(約4355円)
おススメポイント :
立地が最高!旧市庁舎から歩いてすぐ。部屋が清潔に保たれている。キッチンが広い。
エアコン以外にもパネルヒーターが置いてあるので暖かく快適でした。広さは十分!
パネルヒーター使用で洗濯物もすぐ乾いたので助かりました。
残念だったポイント:
部屋は1階でWi-Fiはあるのですが、通りから入った場所なので電波がものすごく不安定。
自分のデータ通信もなかなか電波を拾えませんでした。ネット予約ができずにストレス!
前日まで住所やチェックインの詳細を教えてもらえないので不安でした。
書き物をするのにデスクがなかったのが残念。
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前日にしか住所の詳細は教えてくれません。あらかじめワッツアップで繋がっておきます。
ボスニアでは3泊以上する場合は警察に届ける必要があり、この宿は民泊ですが代理でしてくれます。
前日になると旧市庁舎から部屋までの道順動画とチェックイン方法画像を送ってきてくれます。
通りから階段を登ることになるので大型スーツケースでは大変かも。雪の日は滑りやすかったです。
建物の扉を入ってすぐ、部屋玄関扉の横にあるキーボックスに
教えられた暗証番号を合わせると中に鍵が入っています。
チェックインしてオーナーに知らせると
集金(ユーロ現金支払い)&(警察に届ける為)パスポートの写メを撮りに来てくれます。
チェックアウトはキーボックスに返却するだけなので早朝でもチェックアウト可能でした。

2.コトル Little Bay Apartments
コトルは一大リゾート観光地なので宿は高めです。しかも便利な旧市街で安めの宿はなかなかありません。
安いのはホステルですが、ホステルはゆっくりできない……
バスターミナルにも比較的近くて安めの宿、ということでこちらの宿に決めました。



予約時にオーナーから特に連絡もなく、
宿泊当日午後になってメールが来ていたみたいですが移動中で気が付かず。
口コミには到着したら階下のレストランに言えばいいと書いてあったので
そのつもりにしていたらまさかの冬で閉店中!!
近くの飲食店の人に聞いたら勝手に入っていいよと言われ、階段を登り
鍵のかかっていない部屋に入りオーナーに連絡。
暫くしたら親戚の人が集金に来てくれました。(現金払い)
2泊76.56€(消費税込み)1泊あたり38.2 €(約6207円)
おススメポイント :
旧市街の大聖堂真裏で大変便利。立地は最高。テーブルがあるので書き物ができる。
食器など完備。水回りは清潔。シャンプーなどあり。
残念だったポイント:
暖房が効きにくい、但し毛布あり。鍵が古くて開け閉めにコツがいる。
冬場はオーナーが近くにいないのでチェックインが若干面倒。
部屋の真下にレストランやバーがあり
夏場は人の声が深夜までよく聞こえる環境なので騒音がニガテな人は要考慮です。
チェックアウトは扉に鍵を差したまま出て行くだけなので簡単!いつでもOK!
3.ティラナ Osho Apartment
アルバニアは長らく社会主義国、独裁国家でヨーロッパの北朝鮮と言われた国です。
首都ティラナのイメージはごちゃごちゃして貧しい感じなのかな、と想像していました。
確かに建物の外観はボロボロで治安も悪そうにも見えるのですが、
実は建物の中は綺麗に改装されている物件が多いと思います。
予約サイトの部屋の写真、そして行ってみて実際に目の当たりにしてそれがわかりました。
ティラナでは旅程の都合で2か所の宿を予約しました。
1軒目は観光のしやすさを考えてGuest House De Radaに予約したのですが、
当日行ってみるとまさかのハプニング?!
もともと予約していた部屋。1泊20.69€(約3362円)
年末でティラナ市内は大渋滞、宿に到着したのは予定より2時間遅れの午後8時半ごろ。
それでも宿の女オーナーは待っていてくれました。
到着した旨の連絡をしたらご主人と一緒に階下に降りてきてくれたのですが
何やら様子が・・「これから別の場所に行くね、近いから」というではありませんか!
何の説明もありませんでしたがとても感じのよいオーナーさん、
悪気はなさそうなので、とにかくついて行きました。
連れていかれた場所はある建物の3階。暫くしてその部屋のオーナー女性がやってきました。
予約した宿のオーナーは30代ぐらい、出てきた女性は50代くらい、友達だと言っていました。
とにかく私の宿でなくてこの部屋に泊まって!と言われてΣ(・ω・ノ)ノ!。
どう考えても予約した部屋より断然快適そう。
料金の心配をしていたのですが、予約した価格でいいから!と言われた途端にニッコリ!!!!(*’▽’)
おススメポイント :
部屋はめちゃくちゃ綺麗で広い!!
寝室、リビング、キッチンは広々、シャワーは扉つきで洗濯機も完備!
エレベータもあり。Wi-Fi問題なし。
向かいにスーパーと八百屋があり、スカンデルべグ広場に近い!
オーナーは11階に住んでいる。
残念だったポイント:
玄関ドアの開閉にコツがあって大変、開け閉めがわからず近所の人に助けを求めました!
広いのに暖房が1台のみで寝室は寒かった。洗濯物が乾きにくい。



とても明るく、気づかいのある優しいオーナーさんです。ワッツアップで連絡が取れます。
価格を調べてみると2025年6月の料金は1泊8941円、週末割引だと5633円。参考になさって下さい。
4.ティラナ ホテル Metro Hotel Terminal

ティラナから隣国のコソボや北マケドニアに行く国際線バスに乗車するには
東バスターミナルに行くことになります。
早朝のバスを利用する予定だったのでターミナルの真上にあるホテルを予約しました。
割と新しい小規模ホテルです。(2階建て)
団体客も利用していたので早めの予約がいいかと思います。連泊する場合割引も適用されます。
3泊106.25€(消費税、市税込み)1泊あたり35.41€(約5755円)クレカ決済可(事前引落し)




おススメポイント :
何と言っても東バスターミナル利用なら超便利。朝食付き(7時から)。
隣に大型ショッピングセンターがある。
部屋が綺麗、YouTubeの視聴可能、Wi-Fi問題なし快適。
残念だったポイント:
防音がいまいちかも。廊下の声やターミナルの音が聞こえることも。
5.オフリド Iris Agata
オフリドも一大観光地で、宿は高め。しかもバス利用者はバスターミナルが旧市街から離れているので
そこも考慮しないといけません。私は早朝のバスでスコピエに向かう予定だったので
バスターミナルの傍のホステルに予約を入れました。
ホステルと言ってもマンション1階に一部屋をリノベして貸し出している民泊の様なものです。
男女混合ドミトリー1部屋と個室1部屋しかありません。
立地がいいので早めに予約することをお勧めします。
1泊(消費税、市税込み)12€(約1950円)(ユーロ現金払いのみ)



建物左手に門扉があり、自分で開けて突き当りまでいきます。
白い扉↓の横にプッシュ式キーがあるので暗証番号を入力して中に入ります。
(わからなければ右列上から4つの数字と♯マークを押せばOK)
事前に教えてもらってなかったので住人の人が帰宅したときに一緒に入れてもらいました。
入ると1階には左右に各1の部屋しかなく、左側部屋のインターフォンを鳴らします。
事前に到着予定時間を知らせておきますが、ブッキングコムのメールで繋がっておきましょう。
受付などなく、20代の若い女性オーナーさんが到着時間にやって来て集金、鍵を渡してくれます。



おススメポイント :
清潔。キッチンは共同で狭いが食器、レンジ、冷蔵庫など揃っている。
Wi-Fi問題なし。バスターミナルまで3分。近くにスーパー多数。
エアコンはよく効いて寒くはなかった。
チェックイン、チェックアウトの時間に融通が利いた。
チェックアウトはベッドにキーを置いて去るだけ。簡単。
残念だったポイント:
例え個室だったとしても最悪6人で洗面所を使うことになる。
私の時は2人だったがとても気を使った。
シャワーとトイレが隣接でカーテンはあってもトイレはびしょびしょ。
ベッドにカーテンがないので丸見え。
ロッカーがベッドの向かいにあり、使う時誰かの目に入る。
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1泊だったからドミトリーで我慢できましたが、2泊以上なら個室がベター。
旧市街からバスターミナルへは距離はありますがわかりやすい道順。
早朝の暗い道でも大丈夫。旧市街近くの宿でもよかったかもと思いました。
6.ソフィア Like Home Guest Rooms
ソフィアも大都市なので宿代は高めです。
深夜に到着だったのでバスターミナルから歩いて行ける宿を予約しました。
住宅街ですが特に治安が悪い感じはしませんでした。

ブッキング.コムのメールを通じて前日に詳しいチェックインの案内が来ます。
宿は1階、玄関扉の横に鍵ボックスがあり
教えられた暗証番号を入力して指定された部屋番号の鍵を取り出します。
このフロアには3つ部屋があるので他の人の鍵も入っていました。
このボックスには穴が開いていて、チェックアウトの時は鍵を投入するだけです。
オーナーは常駐しておらず、集金はありません。
チェックアウトする際に部屋に現金を置いておきます。
3泊BGN135 (消費税込み)1泊あたりBGN45(約3719円)(現金払いのみ)




おススメポイント :
立地が良い。バスターミナルまで徒歩で行ける。
キッチンには鍋や食器もあるので自炊ができる。
残念だったポイント:
共有洗面所が狭い。洗面台の下に便器があり、誰かがシャワーをするとトイレと床がびしょびしょ。
部屋に窓がない、古い簡易の温風ヒーターのみ。
ないと寒いし、ずっとつけているとうるさいし暑すぎ。
ドライヤーが壊れていて火を噴いた!!(新しいものに交換してもらうのに丸1日かかった)
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向かいに小さなお店があり、食料品を買えます。
鉄道駅までの地下道にも小さな店舗、鉄道駅の横には大き目スーパーがあります。

7.テッサロニキ White Bottle Superior Apartments
オプショナルツアーの集合場所に近い場所、観光スポットに近い場所ということで選びました。
こちらも民泊の1種です。事前にオーナーとワッツアップやメールで繋がっておきます。
当日、チェックイン可能時間直前にチェックイン方法を教えてくれました。




通りに面した扉を暗証番号を入力して中に入ります。
階段を数段上がったところにエレベータがあり3階まで、
降りた左手に看板があるのでその扉にも暗証番号があるので開ける。
入ったところに左右各1の部屋があるので、自分の部屋の扉に暗証番号を入力し、
消火器の下に隠してある鍵も使って開ける。ちょっと面倒・・
このシステムなのでチェックイン、チェックアウト時にオーナーに会うことはありません。
カード払いで2.3日前に引落しされます。
3泊100.74€(消費税,環境税、市税込み)予約後市税が値上がりしたと連絡あり、追加4.5€
1泊あたり35.08€(約5700円)



おススメポイント :
市の中心部にある。観光に便利。近くに大型スーパー、カフェ、レストラン、ケーキ屋等何でもある。
連泊したが、毎日掃除とタオル交換をしてくれた。清潔。大型TVもあり。
大型ベッドでゆっくり休めた。暖房の他に温水暖房もあるので洗濯物がすぐ乾いた。
残念だったポイント:
部屋の照明が暗いので書き物をしたい場合見にくい。
Wi-Fiはあるが、電波が非常に届きにくく不安定。自分のデータ通信もダメだった。
(建物の裏に面する部屋だったので大通りに面した部屋なら状況は違うかも。)
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民泊と言っても何部屋も持つ、管理会社が経営。連絡もしっかりしていて信頼できました。
Wi-Fiが気にならなければおススメの宿です。
Wi-Fiとネット環境(SIM)
海外に行くとき、
1か国を回る時は現地に到着してから現地のSIMを買うことが多いです。
2,3か国の時はサブSIMとして日本で安い周遊プランSIMを購入&セットしておいて、
現地のSIMを買うことも。
この場合、越境時や次の国のSIMを手に入れるまでの間だけサブSIMを使用します。
今回は9か国だったのでヨーロッパ周遊カード10GBを探しました。
ヨーロッパと言ってもバルカン半島諸国はメジャーではない、しかも
ボスニア・ヘルツェゴビナとコソボも扱っているSIMはほぼなかったです。Airalo一択でした。
(普段日本で楽天モバイルを使っていたので、楽天モバイル海外データローミング2GBもサブとして考えていました。
行く国の中でトルコとギリシャは使える国リストにありましたが、トルコはダメでした。ギリシャは試しもせず。
あの巨大イスタンブール市内や空港で使えないなんて、おススメしません!)
airaloを使ってみました!
airaloのサイトかアプリでプランを選びます。airaloはe-SIMです。海外用eSIMはこちら(Airalo)
対応しているスマホかどうかご確認下さい。
今回私の行ったバルカン半島諸国はヨーロッパプラン42か国の中に全て入っていました。
コソボだけ入っていなかったので個別に購入しました。
クレカ決済OKで、クーポンコードを利用し3ドル割引の$34でした。
購入後案内に従って現地到着時までにアクティベートしておきます。
アクティベートできているかはアプリで確認できます。
私はデータ通信のみのプランにしましたが、電話番号が必要な人はそのプランも用意されています。
実際に使ってみて概ね問題なく接続できました!(#^.^#)
接続が悪かったのは奥まった場所にある宿の部屋や山奥の国境地帯くらい。
そしてコソボのプリズレンでは電波を拾うことができませんでした。
帰国後チャットでairaloに報告したら、返金はなかったですが、
お詫びのAirmoneyを提供してくれました。
本当はプランの有効期限が切れる前に連絡すべきだそうです。
とにかく迅速に対応してくださいました。
★お得なクーポンはこちら! 購入時に紹介コードを入力してくださいね!「 KEIKO8595 」
現地のWi-Fi環境
どこの国でももちろんスマホは普及していて
空港やレストランでフリーWi-Fiを提供されていました。
私は宿以外ではセキュリティーの関係からフリーWi-Fiは使用しませんでした。
例外はロッカーの使用時やコソボでデータ通信できなかった時だけ使用。
スマホはVPNの設定をしていました。
無料VPNについてはこちらも参考になさってくださいね。
https://it-trend.jp/vpn/article/48-0078
治安情報|夜道・スリ・人通りは?

これまで様々な国に行きましたが、バルカン半島諸国は安全でした。
紛争などから数十年経っているので表向きに危険を感じることはなかったです。
西ヨーロッパの方がスリや置き引き、強盗が多いと思います。
もちろん油断をしてはいけません。
相手にスキを見せない対策を取っていれば旅行客だからと言って過剰に警戒する必要はないということです。
バスでの移動も不審者等はいませんでし、ホームレスも見かけなかったです。
民族・宗教問題を抱えていますが、現在は表立って対立する雰囲気も感じられませんでした。
一度だけモスタル行のバスターミナルで
「自分のクレカを使えないからあなたのクレカで代わりにチケットを買って欲しい」
と怪しい外国人に声をかけられましたことはありますが、相手にしませんでした。(怪しさ満載!)

https://balkaninsight.com/2019/01/10/albania-s-student-protesters-hail-victory-over-fear-01-09-2019/
ただ、外務省のたびレジには登録しておき、最新の情報を入手することはおすすめします。
今回の旅では年末年始時期でデモには遭遇しませんでしたが、クリスマス前の12月中旬までは
ティラナやソフィアで大規模な政府に対するデモが連日行われていたみたいです。
ヨーロッパのデモは日本のデモとは規模や熱意が違います!
ジョージアに行った時に実感したのですが、
日本のおとなしく整然としたデモを想像していたらエライことになりました。
デモ予定地を避けたくても、例えば現地ツアーに参加して
帰路にどうしてもそこを通過しないといけないとかそういうこともあります。
サッカーの試合でのサポーターを見ればわかりますが、バルカン半島の人は
熱しやすく過激になることもあるので注意です。
又、ボスニア・ヘルツェゴビナやコソボには未だに地雷が埋まっている地域があります。
その情報も外務省の海外安全情報で告知されています。
そしてコソボに関しては注意点が2つあります。
1)入国に関して:セルビアからコソボには入国できますが、コソボからセルビアに入国はできません。
2)コソボには日本大使館がなく、在オーストリア大使館が管轄しています。
パスポートを紛失すると大変面倒なことになるので要注意です!
年末年始の注意点|営業時間・交通・混雑は?
クリスマスや新年にかけては特別なイベントもありますが、同時に休業や混雑にも注意が必要。
事前に知っておくと便利な情報をまとめました。

バルカン半島ではカトリック、正教会、イスラム教が信じられています。
12月25日のクリスマスを祝うのはカトリック。ですが、日本と同じでイスラム教の人も信者でなくても
その雰囲気を楽しむと話していました。
この時期街角はクリスマスイルミネーションで飾られ美しいです。クリスマスマーケットも楽しめます。
それだけでなく、クリスマスは特別ミサも行われるので教会建物の見学だけでなく
「儀式」の様子も見られる機会に恵まれました。
★主にカトリック又はプロテスタントの伝統を持っており、グレゴリオ暦12月25日にクリスマスを祝う国:
★正教会が主流で、ユリウス暦の12月25日=グレゴリオ暦の1月7日にクリスマスを祝う国:
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営業時間

多くの国がハイシーズンとオフシーズンで営業時間が異なっていました。
冬季は16時や17時、もっと早く閉館するところもあります。
そして要注意は大晦日や年始。
大晦日は平常の冬時間より早く閉館する博物館や観光スポットがありました。(午前中のみ営業)
(私はこのことを知らずに午前中開館していたから安心して午後に行ったら既に閉まっていて見逃した苦い経験があります。)
そして博物館など元日は休みのところがほとんどで、年始1週間は場所によっては閉館していました。
教会等、いつから始まる等貼り紙や告知もないので行ってみないとわかりません。
(Googleマップも最新情報まで記載していないことあり。)
ショッピングセンターや一般店舗も大晦日はいつもより早く閉店するところがあります。
例えばティラナでは元日は丸1日お休みで2日から通常営業でした。
交通機関

市バス等は日祝ダイヤで運行されるかもしれません。
長距離バスは、元日、2日は予約できませんでした。
予約できないのは満席でなく運行していないということ。
例えば北マケドニアは1月6日、7日のバスはクリスマスなので運休、予約できませんでした。
そして日本と同じなのですが、バルカン半島の人も新年は家族とゆっくり過ごすみたいで
その前日、大晦日の大型スーパーは買い出し客で激込み、
道路は帰省する人や移動する人で大混雑!でした。
時間に余裕を持って旅の計画を立てることをお勧めします。
又、元日や年始は家族3世代で外食するのか、レストランは家族連れで混みあい、
おひとり様客の私は浮いていました。4人席に座っていると肩身が狭く、早々に立ち去る感じ。( ;∀;)
食事に関して|無理しない旅を意識

海外旅で現地の食べ物、お酒を楽しむ、これは素晴らしいことだと思います。
私はお酒は飲めませんが、現地の食を楽しむことは若い頃はしていました。
ですが、今はそれは控えています。
普段日本でも肉はあまり食べない、揚げ物は食べない、乳製品は控えるという食生活なのに
海外に行っていきなりそのようなものを連日食べるとどうなるか?消化不良になります。
時差や天候の変化だけでも体の免疫が落ちているのにそれ以上の負担を50代の身体に強いるのは酷。
長い旅を健康に続ける為に今はグルメの楽しみは諦め、軽食を心掛けています。
ということで、食レポを期待された方はすみません。_(._.)_
他所のサイトで沢山情報があるのでそちらをご覧くださいませ。
ただ言えることはどこの国の食事も(羊肉以外)日本人の口に合うと思います。
面白いことに、バルカン半島では人種や宗教、文化が違っても
料理はオスマン帝国時代の名残があってどこも似ているのです!


トルコ発祥のお菓子はよく見かけます。
オーストリア・ハンガリー帝国の影響が残るところでは欧風菓子が
イタリアの影響があったところではイタリア料理がおいしいとされています。
ケーキに関してはアメリカやイギリスの甘いだけ巨大ケーキとは比較にならないくらい美味しいです♡
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反対に、荷物を沢山持てるよ、という方にお勧めなのはちょっとした日本食。
消化不良と風邪を引きそうになった時に重宝したのが
フリーズドライの味噌汁(軽い!)と切り餅。
そしていつも携帯するのが眠くならない漢方の風邪薬とビタミン剤、整腸剤です。
まとめ|冬のバルカン半島、ひとり旅して感じたこと
文化、人、街の美しさ、そしてちょっとしたハプニングまで含めて、
冬のバルカンは忘れられない旅になりました。
50代女性だからこそ感じた旅の感想を、最後にまとめます。
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★冬だから、ということで残念だったことは
*大雪でハイシーズンでは見学できるスポットを諦めざるを得なかったことがある。
(サラエボの山手攻撃場跡、セルビアのモグラ・ゴラの列車)
*オフシーズンで営業時間が短く、急ぎ足で観光せざるを得なかったし、割愛したところもあった。
(サラエボの虐殺資料館、ティラナのバンクアート館)
*年始で閉まっている教会、博物館が多数あった。(オフリドの教会多数、プリズレン博物館)
*オフシーズンを利用して改装中のところもあった。(ティラナ民族博物館、オフリド博物館)
*日照時間が短いので活動時間が限られたり、早朝・深夜バス利用の際景色が楽しめないこともあった。
★この時期だから良かったこと
どこの国もクリスマスイルミネーションやデコレーションで美しかった。
日本で雪の少ない地域に住んでいる為、雪景色にテンション爆上がり!
宗教儀式が多い時期だったので普段見ることができないミサに
何度も参加させてもらって忘れがたい経験ができた。
夏だと激込みの場所、例えばコトル、モスタルでは人が少なかったのでゆっくり街ブラすることができた。
※正直、セルビアとの国境、モグラ・ゴラは緑豊かな景色や観光列車も楽しめるのでハイシーズンに行った方がいいです。
※クロアチアのドゥブロヴニクのハイシーズンはクルーズ船の寄港地でもあり激込みでサービスの対応が悪いとも聞きます。
オフシーズンの方がゆっくり観光できるかもです。
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バルカン半島を再訪して思うこと(50代私の旅記録)
私は37年前、旧ユーゴスラビアを訪れたことがあります。
とにかく「社会主義国」というものをこの目で見てみたくて。
当時、ユーゴスラビアに関する資料はほとんどなく、
在日大使館から取り寄せた薄っぺらいパンフレットの知識しか持っていませんでした。
「七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家」
と形容される多様性の国――その程度のことしか理解していなかったのです。
実際に訪れたのは1988年の秋。ソ連や東欧が崩壊する直前で、
旧ユーゴスラビアではハイパーインフレが深刻な問題になっていた時期でした。
原因は、経済政策の失敗、国家の債務問題、そして民族間の対立による政治的不安など。
紙幣は何度も切り替わり、通常の買い物でも大量の紙幣が必要になるという異常な状況。
私自身も分厚い紙幣の束を持ち歩くことに不安を感じていたのを覚えています。
このときはベオグラードに滞在し、その後、鉄道でイスタンブールへ向かいました。
ハンガリーやチェコスロバキアの社会(共産)主義に比べると、ソ連の影響はそれほど強くなく、
ビザなしで旅ができたこともあり、社会主義国の中では比較的「自由」な国だったのかもしれません。

当時のチェコ・スロバキア。巨大な自国の国旗と同じようにソ連の旗も街中に掲げられていた異常。
それでも、建物や人々の暮らしぶりはどこか質素で、豊かさを感じることはありませんでした。
ただ、知識も情報も乏しく、ユーゴスラビアを深く理解するには至りませんでした。
それから2、3年。まさかソ連の崩壊やベルリンの壁の崩壊、
さらにはユーゴスラビアまでが解体されるとは…。驚きしかありませんでした。
1990年代にはボスニア紛争やコソボ紛争が起こり、多くの命が失われました。
あれから約30年。今ではその傷跡も徐々に癒えつつあり、
当時とは大きく異なる姿を目にすることができました。
こうして長く生きていると、
ひとつの国の変化を長いスパンで見届けることができます。
今回の旅では、かつて自分の目で見た記憶と、今の現実とを重ね合わせることができました。
改めて感じたのは、分裂した旧ユーゴ構成国のうち、
今回訪れた5か国それぞれに民族、宗教、言語、文字が異なっているということ。
チトーは、よくこれほど複雑な地域をカリスマ性と言論統制によって抑え込めていたものだと、
感心しました。
そして現代のテクノロジーのおかげで、
今回は事前に多くの情報を得て下調べができたため、
見るべきポイントをしっかり押さえた旅ができました。
(ひとつ後悔したのは私にサッカーの知識が全くなかったこと。
旧ユーゴ地域から世界的に大活躍する選手が多く輩出されていることや、
かの国々ではサッカーは単なるスポーツではなく、アイデンティティーの表れでもあり
政治にも利用されるということを勉強してくべきでした。)
高速道路などインフラが整備されたことで、
以前は観光客が行きにくかったであろう田舎の場所にも足を運べましたし、
宿やバスの予約もオンラインで可能になり、効率的に旅を進めることができました。
一方で、37年前と比べて残念に感じたのは、戦争の爪痕――見るべき「負の遺産」が
増えてしまっていたことです。(;_:)
それでも、このバルカン半島は、若者だけでなく、
私たちのような同世代の個人旅行者にもおすすめの旅先です!
日本人旅行者はまだ少なく、オーバーツーリズムとは無縁なので、ゆったりと旅を楽しめます。
一度の旅で、ローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国、
そして社会主義時代の歴史を垣間見ることができるだけでなく、
日本では馴染みの薄い正教会の建築や儀式に触れることもできます。
また、山脈が走り、海も近いため、豊かな自然も魅力です。
山の城塞へハイキングに出かけたり、本格的な登山を楽しめるスポットもあります。
そして何より、バルカンを旅する最大の魅力は、
今世界で起きている戦争や政治の問題が、この地域の歴史に凝縮されているという点です。
偏向報道、大国の思惑、武器の密売、国連の無力さ、ユダヤ人の追放、民族浄化――
これらすべてが、この地の歴史に深く関わっており、今の世界情勢と通じています。
又、世界情勢だけでなく、今日本で起きていることに関連付けることもできます。
外国人&不法移民問題、C国による日本の侵略問題も浮上してきている今
日本人としてのアイデンティティ―や沢山の外国人と共存するとどういうことが発生するか、
侵略され言葉を奪われるとはどういうことなのか?についても気づきがありました。
ぜひ現地を訪れ、自分の目で見て、考える機会を持ってほしいと思います。
今はGoogleマップがあるので迷子になりにくく、翻訳アプリがあれば現地の人とのやりとりも何とかなります。
若者ならアニメやサッカーを話題にして外国人と交流を深める旅も良いでしょう。
(若いガイドさんが日本のこと、日本人サッカー選手のことを知っていたのにはびっくりしました!)
でも私たち中高年は、中高年だからこそ見える視点で、バルカン半島を旅してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧下さり、ありがとうございました!